内容説明
枕草子という作品は何なのか。清少納言が中宮定子に仕えた時代は、大きな不安が包み込む時代でもあった。しかしそれらの悲劇性を『枕草子』の作者は感じさせることはない。『枕草子』のストラテジーはどのようなものであったのか。これまで注目されてこなかった「地名」類聚章段群を軸に、言語遊戯性とコンテクストから作品の本質を解き明かした今後の研究の地平を拓く画期的な一書。
目次
第1部 『枕草子』「地名類聚」章段―「名」の選択と配列に見える言語遊戯(『枕草子』の本文について;『枕草子』「地名類聚」章段研究の意義;「地名類聚章段」と展開―「社は」章段の読み解きから ほか)
第2部 『枕草子』の基底―言語遊戯に託されたもの(「枕草子」は何のために書かれたのか―女房の「知識・知識・機知」そして「教育」に連関して;「春はあけぼの」章段の謎;「舞は」章段のしくみ ほか)
第3部 『枕草子』の前と後(紀貫之と仮名文文学―女房文学の視点から;『土左日記』一月七日の記事をめぐって;『土左日記』一月九日の記事をめぐって ほか)
著者等紹介
原由来恵[ハラユキエ]
二松学舎大学文学部国文学科卒業。現在:二松学舎大学教授。専門は平安朝文学と伝承論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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