内容説明
道長から頼通の時代へと引き継がれた政治・文化は、サロン文芸を支える女房たちを、和歌から物語へと躍動させた。時代背景は“いま”となり物語に蘇る。本書は源氏物語以後を時代の中で浮き彫りにした。
目次
1 『源氏物語』宇治十帖の記憶(宇治十帖の表現位相―作者の時代との交差;匂宮三帖と宇治十帖―回帰する“引用”・継承する“引用”;宇治十帖の執筆契機―繰り返される意図 ほか)
2 後期物語の記憶(後期物語創作の基点―紫式部のメッセージ;挑発する『寝覚』『巣守』の古筆資料―絡み合う物語;『狭衣物語』の位相―物語と史実と ほか)
3 道長・頼通時代の記憶(生き残った『枕草子』―大いなる序章;藤原摂関家の家族意識―上東門院彰子の場合;その後の道綱 ほか)
著者等紹介
久下裕利[クゲヒロトシ]
東京都生。早稲田大学大学院博士後期課程満期退学。昭和女子大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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