内容説明
源氏物語と紫式部の研究において、清水好子氏(1921~2004年)の功績は大きい。源氏物語のみならず、女性学や歴史・文化に関わる幅広い活動と著作がある。今回はその中から、現在では入手困難になってしまった選りすぐりの学術論文にテーマを絞り、源氏物語関係の論文は年代順にして第一巻と第二巻に、また源氏物語以外の論文は作品・ジャンル毎に配列して第三巻に収めた。本論文集全三巻によって、一研究者の軌跡を知り、個々の論とその後の展開を、冷静かつ客観的に読み直し、研究者諸氏の今後の研究に活かしていただくよう願うものである。
目次
源氏物語における場面表現
源氏物語の源泉準拠論
作り物語から源氏物語へ
古注釈から見た源氏物語―河海抄
源氏物語絵巻への道―吹抜屋台の構図をめぐって
源氏物語の本性と絵
屏風歌制作についての考察
阿仏尼たちと源氏物語
光源氏論
古典としての源氏物語―とはずがたり執筆の意味〔ほか〕
感想・レビュー
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maekoo
6
源氏物語研究に大きな足跡を残しながら読める論文書籍が少ない清水教授の源氏物語関連論文を時代順に読める素晴らしい論文集全三巻(第三巻は源氏物語以外の論文)の第二巻でこの巻は円熟期の源氏物語関連23論文が読めます! この巻の論文は、昔物語から源氏物語への軌跡や河海抄の分析力や正誤、紫明抄との対比、源氏物語の絵画性と理想性、屏風歌、光源氏論、中将論、紫式部の言語的時空の構築、草子地論、朧月夜論、斎宮女御と三宮における源氏物語の歌、源氏物語の作中人物和歌論、藤壺と紫の上関係論、栄花物語との連関、 →②2024/07/11