出版社内容情報
長崎通詞・中野柳圃らを中心とした蘭語学者の日本語研究の業績を明らかにしつつ、蘭学こそ明治初期、ヨーロッパ言語学が輸入される以前に、日本にヨーロツパ言語学を移植したものと論を進展させる。
目次
第1篇 蘭語学の日本語研究に及ぼした影響(国語学と蘭語学との交渉;稲村三柏と近代日本語の創始;江戸時代蘭日対訳辞典の編集;“ドゥーフ・ハルマ”の訳編と流伝;佐久間象山『増訂荷蘭語彙』の考察;勝海舟の写本、『ドゥーフ・ハルマ』小考;蘭学の家、田安家侍医、桂川家の人びと;『遠西独度涅烏斯草木譜』の翻訳と出版の事情;大槻玄沢に関する考察;勢州蘭学者、武部尚二の人と学問;野村立栄『免帽降乗録』の考察;宇田川榕庵と蘭文法学習)
第2篇 18・9世紀、日本語研究とその方法(新井白石と日本語研究;『東雅』の成立とその方法;江戸時代の翻訳論と翻訳法;江戸時代言語研究と術語法;近代学術用語集の訳編とその史的展望;明治期、学術用語の訳定とその方法;矢田堀鴻『英華学芸詞林』の〈挿訳〉に関する考察)
翻刻・影印・資料篇