内容説明
島根県(出雲・石見・隠岐地域)の口頭伝承の民話、のべ約6000話の中から主要な怪異譚を十三の主題のもとに編纂・考察を加えた。
目次
炭焼き小屋に来る女
山の呼ぶ声
山姥の来る家
山人、大人
蛇と蝦蟇
もの言う猫、踊る猫
人を襲う猫
人をとる蜘蛛
食わず女房
しだいだか、せこ、小豆とぎ
七尋女房、杓貸せ
からさでさん、さで婆さん
大きくなった石、口をひねられた蛭
著者等紹介
田中瑩一[タナカエイイチ]
1934年、松江市に生まれる。島根大学教育学部卒。島根大学教育学部、広島文教女子大学文学部に勤務ののち、現在、島根大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
6
島根、鳥取の民話とその解説。地方オリジナルというより全国展開している民話の方が多く集められている気がする。冒頭の夜中に訪れてくる女の話は、子供の頃日本昔話で見て震え上がらされたな。読みながらどの話もひどく懐かしく感じさせられた。2011/02/20
私的読書メモ3328
1
各地に伝わる「民話」を採集し、記録し、分析・整理した研究成果を記した論文的な本。学術的で、怪談を求めて手に取ると、正反対のものに苛立ってしまうかもしれません。それにしても、近縁地域内はともかく、全国各地で同じような話が伝わっているのはどういうことなのか。人間の発想は意外に貧困ということなのか、集合的無意識などというものなのか。興味深いです。2017/06/22
睡
0
人は何故 “怪異” を好み、語るのか。筆者は20余年に亘り島根県に伝わる口承伝説を丹念に聴取・収集し、約6千話を出版している。その中から主要なものを選び、13の主題に分類して考察を加えたものが本書。恐ろしくも豊かな怪異の世界が、楽しく懐かしい。2011/01/17