内容説明
伊勢神宮の本質を、東・南アジア文化圏のヤマト文化から鳥瞰。文化人類学の視点を導入した新たな古代古典学によって古事記・万葉集・日本像・天皇祭祀をとらえ直す。
目次
アジア基層文化からみた記紀天皇系譜―女性・女系天皇と皇位継承(天皇論、記紀天皇系譜論、皇位継承論の前提;“伝統”“源流”の中身の確認;記紀天皇系譜に残る女性始祖、女系継承の痕跡;文献史料以前に迫るモデル理論;母系系譜と父系系譜の交錯;弥生・古墳時代以来の女性リーダーたち)
アジア基層文化と古代日本(過去像からのアイデンティティー;原型的文化の側から“古代”をとらえ直す;古代文学の古層の言語表現に迫る;古事記・万葉集・伊勢神宮・大嘗祭・天皇系譜の古層;アジア鵜飼文化圏と古代日本)
大嘗祭と天皇制(大日本帝国憲法・旧皇室典範と天皇制;日本国憲法・新皇室典範と天皇制;大嘗祭の源流;天皇霊の問題;天武・持統政権―日本的統治機構のスタート;大宝律令に見る天皇祭祀の基本構造;天武・持統期に大嘗祭の本格的整備が開始された;“古代の近代化”の反作用としての「古」への回帰)
アジアの中の伊勢神宮―聖化された穀物倉庫(「鏡(ご神体)」は非“ヤマト的なるもの”
ヤマトの「古」への強い意志を示した正殿建築
出雲大社本殿は“混ぜ合わせ(ハイブリッド)建築”
正殿建築は長江流域文化圏に属していた
ムラ段階・クニ段階・国家段階の柱信仰と木曳き
高床式・千木・棟持柱の原型
千木と堅魚木
記紀・祝詞と千木・堅魚木)
中国雲南省ワ(〓)族文化調査報告
著者等紹介
工藤隆[クドウタカシ]
1942年、栃木県宇都宮市に生まれる。1966年東京大学経済学部経済学科卒業、1968年早稲田大学大学院文学研究科(演劇専修)修士課程修了、1978年同博士課程単位取得退学。1987年より大東文化大学文学部専任講師、助教授、教授を歴任。1995年、中国雲南省雲南民族学院・雲南省民族研究所客員研究員、現在、大東文化大学名誉教授・一般社団法人アジア民族文化学会理事。専攻は日本古代文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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