内容説明
日本文学の描いた疫病とその渦中に生きた人々の姿を、中古から現代に至る千年のスパンで見渡す。神と鬼と虫と人間が織りなす文芸の世界からパンデミックを切りとる。
目次
疫病の今をよむ(パンデミック小説の地図を書く;俳句と疫病―コレラとコロナウイルスの句を読む;鬼は“そこ”にいる、しかし“それ”は遍在する―疫病とエクリチュールと)
疫病をふりかえる(人喰い鬼と疫病神―「大正」を襲った「流行感冒」;中世説話の「心」をもつ病―『今昔物語集』を中心に;コロナとコロリ―幕末の江戸災厄体験記の奇書『後昔安全録』とその著者について;王朝文学における疫病)
著者等紹介
日比嘉高[ヒビヨシタカ]
1972年生まれ。名古屋大学教授。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hiro6636
1
コロナ禍での文学と過去の疫病禍における日本文学。 中世日本文学における心を持つ疫病というテーマが面白かった。2025/05/01
白石佳和
1
近現代が過去にさかのぼっていくおもしろい構成。類書に『日本古典と感染症』があるが、こちらのほうが読み応えがあった。個人的には、俳句と疫病がよかった。やはり俳句や短歌は、仲間内で慰め合いながらコロナ・疫病と対峙するのがしんどくなくてよい。特に俳句は、季語を使うなど直接的に感情を出さない表現形式であり、オブラートに疫病を表現する。その距離感がいいと思った。全体的に、古典より近代がおもしろかった。古典はどうしてもある程度パターン化され、なかなか現代につなげられない。2021/09/07
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