日本幽霊画紀行―死者図像の物語と民俗

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日本幽霊画紀行―死者図像の物語と民俗

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  • サイズ A5判/ページ数 244p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784838233724
  • NDC分類 721.025
  • Cコード C0039

内容説明

不気味でありながら人情味にじむ幽霊画。死してなお子を育てる「子育て幽霊図」。魔除けになった血みどろの「後妻打ち図」。伝円山応挙の絵をめぐる講談の世界など。絵をめぐる幽霊済度の物語や、掛け幅自体を雨乞いの呪物に使った仏教民俗の歴史とともに東北から九州に及ぶ寺院が所蔵する隠れた名品を取り上げ150点のカラー図版と合わせて解説。

目次

第1章 寺と幽霊画(高僧絵伝から幽霊画へ―死者救済の思想と図像化;子抱き幽霊図の原風景―産死供養の図像;円山応挙伝説考―幽霊画をめぐる「物語」の成立)
第2章 血族の証明(幽霊画の秘密―金沢・鶴林寺;失われた絵の帰還―会津市松沢寺;奥州四十九院家の記憶)
第3章 寺蔵幽霊画を巡る旅(みちのく幽霊画紀行―呪具としての死者図像;幽霊画のまち―弘前市禅林街;御用絵師の女霊救済;薄幸の女霊図―丹後夕日ヶ浦;「産女の幽霊」を祀る―長崎光源寺)
第4章 幽霊画と江戸怪談(江戸はなぜ女霊の時代となったのか―後妻打ち怪談をてがかりとして)

著者等紹介

堤邦彦[ツツミクニヒコ]
1953年生まれ。京都精華大学教授。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ジャズクラ本

15
◎京都精華大学の学者さんによる著作で、日本全国の古刹に伝わる幽霊画を、由緒と共に民俗学的に調査収集した労作。子抱き幽霊、産女、後妻打ちの図と、何れも女性の怨念をモチーフにしたものが並び、単なる説話とは異なって寺社のこうした由来譚には必ず教説めいたものが付帯している。円山応挙の幽霊画考にも多くの頁が割かれていること、全体的な文章の格調の高さも特筆しておきたい。2021/11/03

∃.狂茶党

8
幽霊画の背後にある物語には、仏教の土俗化的な語りの系譜がある。 絵にまつわる伝承などを拾っていくことは、美術史としての視点からではなく今日の実話怪談風の取材に似ている。 物語は、事実のように語られるが、地理的に離れた場所にほとんど同じ話があったり、いるはずのない人が出てきたり(有名人や偉い人が好き)と、日本人の好む話、あるいは、寺を中心とする共同体で共有する社会で好まれるお話って感じ。これは少なくともアジア圏中華圏では好まれていると思う。ちょっと物足りない部分はありますが、見取り図みたいなものですね。 2022/01/26

たっきー

2
さすが堤邦彦という一冊。寺院等に所蔵される幽霊画を丹念に調査した成果が収められている。写真が素晴らしく幽霊に興味関心のある人であれば必携の書だろう。2021/12/24

志村真幸

1
 本書は、日本各地に伝わる幽霊画を多数紹介したもの。すべてカラー図版で収録されており、それだけでも見る価値がある。しかも、宗教・歴史・文学の各側面からアプローチし、しっかりとした研究として成立させた希有な例だと思う。  また、しばしば幽霊の絵は円山応挙の作とされるが、実際には一握りもない。そのため、美術史の側面からは軽視されがちで、実際に作品として見ても下手くそなものが多い。しかし、本書では真作贋作、技術の巧拙といったものを越え、幽霊画に新たな意味を与えたという意味で重要であろう。2022/05/07

大臣ぐサン

1
日本各地に伝わる幽霊画を民俗学の観点から考察を加えた珍しい一冊。幽霊画は日本各地の寺院に多く伝わっているが、美術史の片隅にひっそりとたたずんでいるだけでほとんど研究が進んでいないジャンルだ。数年に一度大きな幽霊画の展覧会が行われることもあるが、ほとんどが作品保護の観点からは不完全と言わざるを得ない寺院でお盆の時期に公開されるだけだ。しかし、なぜ各地の寺院に幽霊画が収められているのか、有名無名関わらず多くの絵師が幽霊画を描いたのか。そこに日本人の美意識や思想が秘められているのではないか。2021/10/19

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