内容説明
男たちだけの語り物芸能ではなかった。女たちもまた「女舞」の名でそれを担った。新たな視点から幸若舞を照射。中世から近世・明治初期に至る語り物文芸の伝承と変容を追う。芸態・詞章・典拠・他の芸能とのかかわり・テキストなど、50年の月日をかけて著者が詳細に論証する。
目次
第1章 幸若舞の形成
第2章 幸若舞芸能集団の活動
第3章 幸若舞作品の構成
第4章 『平家物語』と幸若舞作品―「敦盛」の展開
第5章 『曾我物語』と幸若舞作品―「和田酒盛」をめぐって
第6章 戦国軍記と幸若舞―「三木」を例として
第7章 古浄瑠璃等と幸若舞
第8章 「女舞」と幸若舞の変容―近世幸若舞のゆくえ
第9章 甲斐で書写された幸若舞テキスト
第10章 キリシタン資料と幸若舞テキスト
著者等紹介
須田悦生[スダエツオ]
1942年福井県美浜町に生まれる。大阪外国語大学(現大阪大学外国語学部)卒業。大阪大学大学院文学研究科国文学専攻修士課程修了。(県立)静岡女子短期大学助教授、静岡県立大学短期大学部教授、静岡文化芸術大学教授、同大学特任教授を経て、静岡県立大学名誉教授。専門分野は日本中世文学日本芸能史。主な著書等に『若狭猿楽の研究』(単著)(三弥井書店、1992年)(第25回日本演劇学会河竹賞受賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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