内容説明
アジア地域の生きている神話が示す「表現態」と「社会態」を手段に、国境と文字世界の内側に閉じられた現状を脱して古代文学の深層に迫る、『古事記』研究の可能性。
目次
島生み神話記述の古層と新層
天の石屋戸神話の重層構造―日本古代の祭式と神話
声の神話から古事記をよむ―語型・話素に表現態・社会態の視点を加える
歌垣の現場性と万葉恋歌の観念性―証人としての他者と「人目」「人言」
杖と柱―日本神話と「草木言語」の世界(増補版)
「忌み」と「なみ」―新嘗・酒波・月次・黄泉の語源論
神話と民話の距離をめぐって―中国少数民族イ族の創世神話の事例から
少数民族“ヤマト人”
中国少数民族の掛け歌―ペー族
中国湖南省苗族歌文化調査報告
著者等紹介
工藤隆[クドウタカシ]
1942年、栃木県に生まれる。東京大学経済学部経済学科卒業。早稲田大学大学院文学研究科(演劇専修)修士課程卒業、同博士課程単位取得修了。日本国内の祭式・民俗芸能調査を経て、中国などアジアの少数民族文化の本格的な実地調査に踏み出し、『古事記』など古代文学研究に新しい視点を提示しつつある。大東文化大学日本文学科教員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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