内容説明
室町時代のお伽草子に光をあて、時代を生きる庶民の経済観念、権威への抵抗意識、宗教観、異類に代弁される生活の様子、女性の生き方など作品が描き出す、中世の人々の心と姿を明らかにする。
目次
御伽草子にみる「富」について
『善教房絵詞』―届かない念仏の架け橋
『福富草紙』―嘲笑と諷刺
『おようの尼』絵巻―梵字の謎
『毘沙門の本地』の天界遍歴譚―星の伝説と信仰
『宝蔵絵詞』―熊野・切目王子伝承
『精進魚類物語』擬人名考―笑いの合戦記
『精進魚類物語』擬人名考―笑いの合戦記・追考
『鼠の草子(鼠の権頭)』―怪婚譚と女性
『鼠の草子(鼠の権頭)』―中世の嫁入り行列〔ほか〕