内容説明
戦災で故郷である奈良に戻った入江泰吉(1905~1992)は、奈良大和路の風物に救われたと語っていた。約半世紀にわたって撮り続けてきた入江だが、その原点は、戦後すぐに見た、昔と変わらない農村風景であり、街を行き交う人や明るい子どもたちの表情だった。写真集に収録した二百点を越える写真からは、入江の温かいまなざしが感じられ、奈良大和路の飾らない風景が広がっている。これは入江の心の原風景であり、貴重な記録写真でもある。
目次
第1章 奈良町界隈
第2章 佐保・佐紀・平城宮跡界隈
第3章 西の京
第4章 斑鳩・當麻界隈
第5章 山の辺の道・聖林寺界隈
第6章 飛鳥の里
第7章 文化財の記録
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
苺***
6
昭和20年~30年代の奈良大和路の写真集です。街を行き交う人や明るい子供の笑顔、昔と変わらない農村風景が約200点収められています。写真集を見て奈良も随分変わってしまったなと思いました。写真集の中の奈良は時間がゆったり流れていて飾らない人々の笑顔が溢れています。1300年前と変わらなさそうな風景。日本人の心の故郷が広がっています。2014/01/23
animemitarou
1
入江泰吉氏が撮影した奈良の写真集です。昭和20年代から昭和30年代にかけての人々の暮らしや街に焦点があてられています。近鉄奈良駅が地上にあった時の写真や、今やなき、あやめ池遊園地や奈良ドリームランドなど、現在と比較すると面白い写真がたくさんあります。個人的に好きな写真は飛鳥の石舞台。当時は石室の上に自由に登れて、記念写真を撮影していたそう!!2017/05/20
謙信公
1
これも懐かしい!といっても、写真の撮られた昭和20~30年代に生きていたわけではないので、当時の風景そのものを知っているわけではないが、物心ついたころには、まだこの風景は所々に残っていたように思う。戦時中に空襲に遭わなかったことで、この原風景は貴重だ。2015/09/28
kumonosuke
1
郷愁を感じる。人々の生活の温かさが伝わってくる。平屋建ての街並みの奥に東大寺大仏殿が聳え立つコントラストなど素晴らしい。2014/04/23
ユキ@うろちょろ
1
今の奈良に面影を残すものもあるが、全く変わってしまったものが多い。大和は国のまほろば、とヤマトタケルが読んだ風景、息遣いが変わってしまった様で少し残念にも思えた。昔は遠くからも興福寺が見えたんだ。2011/10/22
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