出版社内容情報
★心臓外科の名医が語る現代の怪異譚。
死を告げる音、廊下を歩く亡くなった患者、どこからとも漂う線香の香り……。
生と死が交差する場所、病院。
そこでは科学では説明のできないことがしばしば起こる。
それらを「あり得ないこと」と片付けるのは簡単だろう。
しかし、現代科学で説明できないものを、
「それゆえに存在しない」と判断するのは、
決して科学的なスタンスとはいえない。
さまざまな非日常的な体験を通して見えてきた
死とは? 生とは? 意識とは?
事実をありのままに綴った一冊。
内容説明
死を告げる音、廊下を歩く亡くなった患者、線香の香り…心臓外科の名医が明かす現代の怪異譚。
目次
第1章 科学では説明のつかない出来事
第2章 非日常がもたらすもの
第3章 臨死・意識・心臓
第4章 死ぬのが怖くなくなる方法
第5章 人は死なないのか
第6章 不思議な現象が教えてくれたこと
著者等紹介
南淵明宏[ナブチアキヒロ]
1958年、奈良県生まれ。83年、奈良県立医科大学医学部卒業。国立循環器病センター、セント・ビンセント病院(オーストラリア)、シンガポール国立大学病院、新東京病院、大和成和病院などをへて、2015年から昭和大学横浜北部病院循環器センター心臓血管外科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
203
病院に伝わる都市伝説のような話を、現職の心臓外科医がまとめた本。現実には起こり得なさそうな話が続くが、著者自身は唯物論者のような語り口。まぁ面白いけど勧めるほどではないかな。臨死体験で有名なあのマリアとテニスシューズの話も登場する。2019/11/04
ちょろこ
104
興味深く読めた一冊。心臓外科医が語る数々の不思議話。心臓の話題から始まったところは意外だったけれど、最後まで興味深く読めた。時折挟まれる不思議話はどこかホッと心が安らぐものばかり。人の想いというもの、それは時にはそのままで、時には姿を変えて、残ったり見守ったりするものなんだろうな。絶えず心臓、命に携わる医師としての不思議な出来事についての見解はもちろん、心臓には記憶が宿るのか、意識について…これらも興味深く面白かった。2019/11/09
♡ぷらだ♡お休み中😌🌃💤
46
タイトルに興味をもち読んだ1冊。心臓外科医としての日常についてもふれながら、医療現場に発生する怪異譚を紹介。虫の知らせ、予知夢、幽体離脱、臨死体験などを科学者でありながら科学的に説明できないことを正直に語る。病気の奥さんを心配するあまり、2人の子供と一緒に病院に説明を聞くためにやってきた何年も前に亡くなっている夫。交通事故にあり幽体離脱した兄妹のうち妹が「お兄ちゃんはまだやることがあるので向こうへ行きなさい」といって去る話。ゾッとしたり怖くなったりするのではなく、ほっとするような温かい気持ちになる出来事。2019/10/02
かおりんご
31
ホラーかと思ったけど、そうでもなかった。タイトル通り、心臓外科医が語る病院で起こった「不思議」な話。さらさらっと読めるし、夜に怖くてトイレに行けないなんてこともない。臨死体験が書かれていたのが、興味深かった。2019/11/12
ザ ネ
22
怖いのを期待したけど、ほっこり哲学的なお話しでした。著者は心臓外科医で毎日同じ道を通るなどのルーティンがある。心臓が止まったらその人の思いもそこで終わるのかと思うが、どうやらそうでもないらしい。よく体は魂の入れ物と聞くけど、この本を読むと亡くなった後もそっと優しく寄り添う思いがあるんだなと思った。人間の思いは「亡くなってはいそこで終わり」ではないのかも知れない。著者が現役の心臓外科医だからか、中々興味深い話ばかりでした。死生観についてちょっと考えさせられました。2019/12/22