出版社内容情報
2018年7月、惜しまれつつ死去した『笑点』永世名誉司会、桂歌丸。生涯の最後まで、芸に全身全霊を傾け続けた国民的噺家の知られざるエピソードを、『笑点』現役メンバーたちが語り尽くす!
内容説明
お題:歌丸師匠はどんな人物だった?『笑点』の仲間たちが語り尽くす、一途な落語家の芸、そして生きざま。
目次
語り手1 春風亭昇太「時代に合わせながら信念を貫き通した」
語り手2 三遊亭小遊三「芸人の“本当”を見せつけた天才」
語り手3 三遊亭好楽「落語にすべてを捧げた執念の人」
語り手4 林家木久扇「顔だけじゃなく存在もまるで黄金バット」
語り手5 林家三平「言葉ではなく教わった“伝える”大切さ」
語り手6 三遊亭円楽「“目をつぶるまでやる”っていつも言ってた」
語り手7 林家たい平「『笑点』と高座の両輪で王道を歩まれた」
語り手8 山田隆夫「悪口で盛り上げてくれた“おじいさん”」
特別インタビュー 信頼関係で結ばれた最愛の妻 冨士子夫人だけが知る歌丸の素顔
語り手番外編 『笑点』スタッフ
特別編 桂歌丸蔵出しインタビュー
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
shizuka
48
落語の面白さ、奥深さは歌丸師匠から教わった。笑点はあくまでも入り口でそこから落語に興味を持ってくれればいいなあと。わたしもその口で。昨年師匠が天に召され、これはえらいことになったと思った。そこから落語探求がはじまった。師匠の高座を見ることができなかったのが悔いではあるが、師匠の思いは弟子だけでなく、関わった人々の中にしっかり生きている。笑点メンバーの話で共通しているのは礼儀正しく、奢ったところがひとつもないという点。万人から尊敬される人は数少ないと思うが、歌丸師匠はその数少ないうちのお一人だと思う。2019/07/15
gtn
24
歌丸師が笑点の司会になってから、好楽師は俄然面白くなった。自身の師、五代目圓楽が司会の頃は委縮していたと告白する好楽。一方、歌丸師はのびのびやらせてくれて、何より楽屋が和やかになったという。「みんな一緒」との歌丸師の信念をスタッフを含め全員が共有したからこそ、永世名誉司会として、亡き今も番組に出演し続けているのだろう。2020/03/21
Nazolove
21
久々歌丸師匠の話で楽しませてもらった。 笑点は自分の中では圓楽師匠のときは皆真面目にやってる感じ(楽しめるところは楽しめる)歌丸師匠になったら皆自由奔放になり昇太師匠以降も続いてるイメージで観てたが、やってる人視点から語られるとまた違った楽しみ方もあるなーと思った。 個人的に昇太師匠はパンチが足りない(歌丸師匠時分の五回に一回の全部取り)気がするのでいつか昇太師匠もパンチのある取りっぷりを見せてもらいたい。 歌丸師匠は死んでしまってもまだ守護霊的に(笑)皆の心の中に生きてるのだなーなんて感じた。2018/12/22
りょちみ
20
笑点メンバーが桂歌丸さんについて語る本。こんなに年齢や立場に分け隔てなく愛される人がいるだろうか。自分が笑点を見始めた頃は、先代の圓楽さんが司会で、歌丸さんは回答者だった。でも司会が変わって雰囲気が変わって、楽太郎さん(現円楽さん)との馬鹿にし合うやりとりや、そこにたい平さん、山田さんが絡んだりするのが本当に面白かった。昇太さんのプレッシャーも相当だろうな。この本を読むと改めて歌丸さんの存在感と人間の大きさを感じます。落語業界にとっても日本にとっても宝です。今年、落語聴きにいこう。2019/03/09
退院した雨巫女。
15
《私-図書館》笑点メンバーの中で、小さい頃から歌丸さんが好きでした。テレビや、ラジオでは、落語は観たり、聴いたりはしていたけど、生はなかった。それだけが、悔やまれます。他の笑点メンバーからみた歌丸さんは。みんな違っていて、奥さんの富士子さんの話や、笑点のスタッフの話もよかった。ご冥福をお祈りします。2020/03/18