内容説明
「ながまれ海峡号」をプロジェクト立ち上げから牽引したのは観光のプロフェッショナルであり、筋金入りの鉄道愛好家である日本旅行北海道の永山茂。鉄道商品を次々と手掛けてきた彼がこのプロジェクトをいかに成功に導いたのかを描き出す1冊。そこからは地方創生における観光の在り方も見えてくる。旅行会社と鉄道会社、地域住民の三位一体で「鉄旅オブザイヤー2016」グランプリ受賞。
目次
第1章 北海道に新幹線がやってくる!(北海道新幹線がもたらした光と影;ながまれの源流「廃線探訪シリーズ」 ほか)
第2章 誕生、“日本一貧乏な観光列車”(驚愕の低予算から挑む地産地消デザイン;お披露目目前にまさかの車体デザイン変更 ほか)
第3章 「ながまれ海峡号」を支える人々(前夜に“変身”を終えてスイーツ丼から開幕!;上磯駅前商店会の「立ち売り」がお出迎え ほか)
第4章 これからの地方創生と鉄道観光(“目覚め”は5歳、蒸気機関車を追って北海道へ;「観光はなまものだ」旅行企画で大ヒット連発 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぴかりん@マヨ
13
北海道新幹線開通により廃線が相次ぐ中で残された「ながまれ海峡号」。民間に払い下げられるも破格の低予算!存続をかけ、知恵と情熱で突っ走る永山さんを追った実話。地域住民の足として運営していく為に観光列車を走らせ資金を作る、なんて普段移動手段としてしか利用しない立場からするとなるほどなぁと思わされた。周りの人達を巻き込んで手作りの観光列車を作り上げる。何気なく見かける旅行会社のプランにはこんなに沢山の人の想いが込められてたんだなと改めて思った。ただ登場人物の肩書が長いせいか、教科書ぽくてちょっと読み辛かった…。2018/07/09
ジュースの素
13
北海道新幹線が走る「木古内」~「新函館北斗」。ほぼ同じ箇所を走っていたJR江差線の存続は当然ながら怪しくなる。しかしこの線は道南民の足であり、何よりも貨物輸送の大動脈であった。潰す訳には行かない。立ち上がったのは「日本旅行」の永山を始めとする有志たち。32キロの路線に観光列車を!予算の無い中、住民やスタッフの奮闘が始まる。エアコンが無いから窓を開け、立ち売りの駅も設け、バーベキューもやろう。鉄旅グランプリを取ってしまった感動の物語。絶対に乗ってみたくなる!!2018/06/04
大先生
9
開業1年目にして「鉄旅オブザイヤー2016グランプリ」を受賞した、函館と木古内町を結ぶ観光列車「ながまれ海峡号」についての本です。車両改造費は3500万円(九州のななつ星は総工費30億円)。驚愕の低予算で地元民の協力を取り付けながら開業に至るまでの苦労話がメインの内容です。地方創生って地元民の協力なしには不可能だということが伝わってくる一冊ですね。ところで、最後になぜか釧路と網走を繋ぐ釧網本線を世界遺産に!という話が出てきます。個人的には大賛成ですが、もう少し釧網線の説明もお願いしたいところでした(笑)2021/10/12
Hiroki Nishizumi
2
ながまれ海峡号は知らなかったので興味深かく読めた。釧網本線はじっくり見たみたいな。2023/12/06