内容説明
“江夏の21球”に敗れた1979年の日本シリーズ悔し涙にくれた1988年の“10・19決戦”代打逆転サヨナラ弾で決めた2001年の優勝…。劇的な近鉄の野球を作ったのは西本幸雄だった“お荷物球団”をパ・リーグ王者に変えた名将が野球人生のすべてを、プロ野球の未来を語る。
目次
第1章 近鉄最後の日
第2章 パ・リーグ誕生
第3章 灰色のチーム
第4章 阪急黄金時代
第5章 近鉄監督就任
第6章 エースとの激突
第7章 江夏の21球
第8章 悲運の闘将
著者等紹介
西本幸雄[ニシモトユキオ]
1920年、和歌山県生まれ。立教大、八幡製鉄、全京都、星野別府組を経て、1950年、毎日オリオンズに入団。1955年に現役引退。1960年、大毎オリオンズの監督に就任し、パ・リーグ制覇を果たす。その後、阪急ブレーブスの監督として5度、近鉄バファローズを率いて2度のリーグ優勝を飾った。8度も日本シリーズに挑んだが、いずれも敗れている。監督としての通算成績は、1384勝1163敗118分、勝率.543。1979年に正力松太郎賞を受賞。1988年にはプロ野球殿堂入りを果たした
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
再び読書
23
西本氏の信念が感じられる本、8回シリーズに出て1回も勝てなかったのは意外だが、それだけ優勝した事に意義がある。ぼくらの世代は大毎はおろか阪急での監督時代も印象には無い。しかし、あまりにも有名な山際氏の「江夏の21球」の近鉄時代が懐かしい。監督としてのライバルの野村が、自分が阪神を追われる時、西本氏を推薦したのも印象深い。また鈴木氏との接し方が、一番心に残った。名監督たる片鱗を知れてよかった。2015/01/30
YOS1968
6
2005年、近鉄バファローズの消滅とともに描かれた本。先ほど91歳で亡くなられた西本幸雄氏を語っている。パ・リーグ一筋20年間、鉄拳制裁もいとわない熱血漢で、阪急・近鉄といった弱小球団を優勝させた手腕は高く評価されている。8度もリーグ優勝を遂げながら一度も日本一になれなかったことから「悲運の名将」とも呼ばれる。伝説の「江夏の21球」の時の近鉄監督、読売V9時代の負け役とグッド・ルーザーの印象が強いが、上田・仰木・梨田らの名監督も育て、球界への貢献度は計り知れない。ご冥福を祈ります。2011/12/03
田中
4
西本監督は怖い印象しかありません。阪急時代は、いつも不機嫌な顔をしてスパルタ親父のようでした。何か意に沿わないことをしたらすぐにぶん殴られそうに感じました。小学生の時分はテレビに西本監督をみるだけで僕はビビッテました。その怖さの裏側にある選手達にかける愛情の深さをこの本を読んで改めてよく分かりました。信念と熱情が溢れている監督です。阪神が弱かった時代に西本監督が来てくれれば阪神も強くなるのになぁと何度も思ったもんです。退任ゲームの時に阪急と近鉄の選手達が西本監督を胴上げしたシーンをテレビで観て涙しました。2015/03/14
イチゴタルト
2
名将と呼ばれる一人ですね。榎本喜八の良き理解者でもあったので読んでみようと。感想 活躍している選手を優遇しない平等主義で見込みのある選手は徹底的に教え込む監督だったんですね。そして投手よりも野手を重視していて長打マンを育成重宝しているようです。野球に関しては三原野球と真逆のようで面白いです2018/06/07
rubbersoul
1
「とにかくあきらめないこと。これはすごく大事なことですよね。人生だってそうでしょう。野球はゲームセットまで3時間くらいはかかるけど、その間にいろいろなドラマがある。だから、野球よりはるかに長い人生は、絶対にあきらめちゃいけない」2017/11/16