内容説明
「猫のしっぽ」と呼ばれていた女学校を卒業したての17歳のロマンチックな乙女。なぜか日本帝国陸軍の諜報機関に終戦までの2年間勤める。毎日が事件といった職場で起る悲喜交々と戦時下での労苦を18のエピソードで綴る。軽妙なタッチで描かれたヒューマンドラマ。
目次
秘密
秘密の正体
一寸したトラブル
変化
たぬき御殿
情けない話
大人達
俘虜
空襲前夜
青春〔ほか〕
著者等紹介
小林久子[コバヤシヒサコ]
大正14年(1925年)東京に生まれる。東京府立第六高女卒業
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感想・レビュー
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Toska
13
“「猫のしっぽ」と呼ばれていた女学校を卒業したての17歳の著者。なぜか日本国陸軍の諜報機関に終戦までの2年間勤める”。何やら出来の悪い異世界転生もののようだが、実はこれが公式の紹介文。著者の勤務先は、対敵放送やビラ作成に従事する参謀本部駿河台分室だった。本人はただの雑用係で、詳しいことは何も知らないのだが、それだけに「普通の人」の目には諜報の世界がどう見えたかが活写される。こんな形で戦争に関わった人もいたのだ、という新鮮な驚き。今まで読んだ戦時回想録の中でも指折りの面白さで、強くお勧めしたい。2024/04/26
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