内容説明
夏目漱石が『坊っちゃん』を生み出した松山での1年間の滞在状況を、史実に基づき可能な限り忠実に再現した日記風小説。
著者等紹介
石井由彦[イシイヨシヒコ]
1941年愛媛県生まれ。厚生省と愛媛県庁に勤務し、愛媛県総務部長で退職。俳人協会会員
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
偽教授
0
『坊ちゃん』を下敷きにして夏目漱石が主役のノンフィクション小説という体裁に直してあるのだが、正直言って、オリジナルと文才に差があり過ぎて見るに耐えない2024/05/05
Hisashi Tokunaga
0
漱石を坊ちゃんに化体したとみなせば、漱石の松山の行状はややもすればパロディーになるのだが。作者の腕の良さで、大変上等なノンフィクションめいた仕立てになっている。坊ちゃんこと漱石は何故にも松山を馬鹿にしたか。一つに漱石は辿れば清和源氏の流れをくむ家系であること(松山の河野氏の出自も清和源氏)。一つに、江戸・東京という権威権力を持つ出身であること(江戸城と松山城の比較、松山方言への偏見)。一つに東京帝大出で高等師範の先生という前歴。斯くして坊ちゃんは大いなる優越と偏見を抱くのであった。伊予風土記と道後温泉。 2019/09/22