内容説明
日中戦争の折り、中国戦線に日本陸軍のナイチンゲールと呼ばれた衛生兵がいた。第一線の華々しさはないが柔整師としての腕もあり、隊内はもとより、中国の民衆にも接して広く医療活動に挺身、皇軍の名を高からしめた。極限に置かれた現地からの生々しい人間の声が胸を搏つ。
目次
出征
戦場へ赴く
伍長に進級する
あわれスパイの処刑
羽化登仙に遊ぶ
いろいろのことども
慰安所異聞
中隊のナイチンゲール
凱旋
著者等紹介
藤本秀美[フジモトヒデミ]
大正6年6月20日生。昭和6年4月三井青年学校入学。10年5月柔道二段。11年3月三井田川青年学校卒業。12年4月小倉陸軍病院に応召入隊。13年1月野戦重砲兵第六旅団に転属。8月陸軍衛生上等兵に昇進。14年3月軍医予備員として武漢大学に入学。6月軍の特別教課を受け卒業。7月陸軍衛生伍長に任命。15年10月応召解除。16年4月朝鮮警察官講習所に入所。8月北朝西水羅警察署勤務拝命。17年12月柔道五段・同署柔道師範任命。20年4月朝鮮羅南師団に応召入隊。即日羅南師団長より衛生軍曹に任命。8月部隊解散(投降拒否)
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