内容説明
道元は迷った。そして…。気高く、純真で孤高な禅師・道元の求道の旅を、巧緻に、そして大胆に描く一大絵物語。激動の鎌倉時代、ひとりの生き様が750年の時を超え、混迷の現代を斬る。
目次
第1章 花(乱世に誕生;母の死 ほか)
第2章 ほととぎす(海を越えて;天童山へ ほか)
第3章 月(夜明け前;達磨の僧、来る ほか)
第4章 雪(越前へ;永平の地 ほか)
著者等紹介
大谷哲夫[オオタニテツオ]
昭和14(1939)年、東京に生まれる。早稲田大学第一文学部(東洋哲学専修)、同大学院文研(東洋哲学専攻修士課程)修了。駒沢大学大学院文研(仏教学専攻博士課程)満期退学。曹洞宗宗学研究所所員・幹事・講師を経て、昭和52(1977)年、駒沢大学に奉職。平成6(1994)年より学生部長、教務部長を歴任。現在、駒沢大学副学長、仏教学部教授
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感想・レビュー
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りー
11
道元の生涯を生誕から入寂まで追った本。頁数は多めですが、活字が大きく挿絵もあり、文体も読みやすいです。道元の母=伊子は、関白 藤原基房の娘。木曽義仲に側室として差し出された後、義仲の死後、後白河上皇の近臣として台頭した藤原通親に嫁いで道元を産む。また道元は宋から帰った後、源実朝の未亡人信子・鎌倉評定衆 波多野義重からも庇護を受ける。京・鎌倉両方に深い縁のある人だったことがわかりました。中国や日本における禅の歴史や世界観も詳しく書かれています。もう少し学んだらもう一度読み返そう。今の自分にはここまでの理解。2020/04/26
詠月
8
鎌倉時代に生きた道元さんの生涯を、四季が巡りめぐる様にえがかれています。当時の庶民・お公家さん・お武家さんが、新しい仏教にどの程度の期待を込めていたのかは分かりません。叡山と他派の対立、新興勢力にたいする弾圧のとばっちりなど、かなり迷惑だったことでしょう。それでも今に残っている宗派は、この本の道元さんのように一人一人と寄り添ってきたのだと思います。個人的には、他力本願より禅の方がなんとなく好みです。禅問答はよく分かりませんけども。2013/07/05
MICKE
5
読了。映画『禅 ZEN』も観られたし。 春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて 冷しかりけり2022/07/22
灰原☆
1
禅について、ストーリーを追って知りたかったので購入して読んだ。道元の生涯の本。荒廃した時代に人々の拠り所となった禅、仏法の世界。このような時代にいかに道元は生きたのか、読みやすくて勉強にもなった。2012/01/15
sanga
0
道元という大思想家を描くのは至難の技じゃないかしら・・・2015/09/28