内容説明
作家になる夢をもちつつ、留学経験を生かし英会話学校の教師をしている“僕”は、ユミコという女性と付き合うようになる。知的な会話が好きな僕は、ユミコやアメリカ人の友人を相手に歴史談義をする。異民族支配も環境破壊もせず、人間が豊かな生活を送れるシステムをつくった日本のこと、なぜ日本だけが西洋の植民にならなかったのか、外国人を侮ることなく必要以上に卑下することもなく世界と対等につきあえる日本人になるには…。そんな話をするうち、僕はついにある重大な決断を下した。
著者等紹介
島津武士［シマズタケシ］
１９６４年２月東京浅草生まれ。１９８４年１月渡米。１９９０年１月サンフランシスコ州立大学を卒業し帰国、専攻は歴史学。アメリカ留学から帰国後、独自に歴史の研究を進める一方、塾、英会話学校などで英語、特にＴＯＥＩＣ，ＴＯＥＦＬの受験指導に携わる。アメリカにおける自らの留学体験、そして英語教師の経験から、英語の能力だけでは真の異文化間コミュニケーションの不可能なことを痛感、授業のかたわら機会のあるたびに日本と世界の歴史や文化はもちろん、人間の生き方、人生論を生徒、日本人教師、そして外国人教師を交えて語り合うようになる。対話を通して歴史と思想をわかりやすく表現した本書は、１０年間に及ぶそんな教師生活の総括である。また、人間の欲望が破壊してしまった地球環境の抜本的な改善なくして人類に未来はないという歴史家としての熱い使命感も本書の中には込められている
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