内容説明
軍艦島:人工の炭鉱島、黒神村:溶岩に埋れた村の日々。閉ざされた世界に、隔絶されたその場から逃げることなく、限界状況を生き続ける人間の生を見たように思った。60年の時の彼方から帰って来た幻のデビュー作『人間の土地』刊行30年の時を経て再び甦る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケニオミ
9
日経新聞にこの写真集のことが触れられていたこと、また自分の興味のある軍艦島も被写体となっている写真集であることで手にした写真集です。見捨てられた島としての軍艦島ではなく、生活拠点としての軍艦島の写真です。一本の木も生えていなかったんですね。正しく人工の島。島の人すべてが知り合いなんて、気を遣わない一瞬もないストレスの多い空間だったのではないでしょうか。特にこの地での恋愛はに興味があります。浮気してもすぐにばれる社会? 僕みたいに世間を斜から眺める傾向のある人にとってとても興味深いです。2020/02/01