感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆう
17
フランス革命からナポレオン皇帝時代までを強かに生き抜いた、ジョゼフ・コティ(実在したフーシェという人物がモデル)なる男性の視点を通し、描かれたフランス歴史漫画。自由や平等をうたった革命が、如何にして恐怖政治に陥っていき、反動のように皇帝を抱くことになったのかがよく理解できた。仮想敵を作り出しそれを撃つことは比較的容易に可能だが、その後社会を安定させることは至難の業。行きつくところまで行かなければ、秩序は生まれない。革命の意義を問うといった主題の作品ではないので、次はその辺りをカバーする本を読んでみたい。2024/07/28
ovonkovon
4
全巻読了。頭抜けるもの皆死ぬフランス革命〜ナポレオン台頭の時代を、稀代の日和見主義者フーシェを主人公に描いた物語なのだが、この描き方が非常にクールだ。歴史、とくに激動期を題材にすると、その熱量や悲愴さに酔いがちになるのだが、この物語では偉人も民衆もただの人間として突き放して描いている。信念も誇りも欲望の別の姿でしかなく、歴史とは欲望の綱引きにすぎない。情熱的な英雄伝や理路整然とした歴史書などより、歴史は人間の営みの結果であるという生々しさを感じられた。すごい。できれば王政復古あたりまで読みたかった。2018/06/23
でろり~ん
1
む~ん、なぜここで終わっているんでしょうか。フランス革命は少女マンガで盛んに取り上げられた題材ですが、ナポレオン時代になると人気無いんでしょうか。主人公コティは、この後、まだまだその手腕を発揮するんですけれどね。もう一人の曲者、ジョゼフィーヌさんは、この最後のシーンまもなく50歳で亡くなっているようですが、この人についてももう少し取り上げて欲しかった気がします。権謀術数。昔は本当に文字通りの殺し合い。なぜこの人を主人公に据えたのか。時代への批判だったんでしょうかね。謎のまま、ザ・完結なのでありました。2018/11/18
てふてふ
1
待望の復刊もようやく完結。倉多先生のコメントが読みたかったけど、どこにもない。体調をくずされているのかな。2017/09/27
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- 和書
- ひときれのフランスパン