著者等紹介
長谷川集平[ハセガワシュウヘイ]
1955年姫路生まれ。1976年『はせがわくんきらいや』で第三回創作えほん新人賞。1990年『見えない絵本』で第二十回赤い鳥文学賞。1992年『石とダイヤモンド』『鉛筆デッサン小池さん』で第十四回路傍の石文学賞。絵本、小説、評論、翻訳、作詞作曲、演奏など多様な表現を試みる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヴェネツィア
242
長谷川集平・作。喪失した少年時を回想するノスタルジック絵本。時代は昭和。その時代の世界や気分を甦らせる。少年たちの言葉からは神戸かと思ったが、作者の略歴からは姫路であるようだ。空間を大きくとった黒一色の絵はヘタウマ系。独特の味わいである。トンボが捕れない時の渇仰と、捕獲してからの戸惑いの落差の表現が上手い。エンディングの寂しさも絶妙だ。二重、三重に喪失の哀しみが忍び寄って来る。2024/11/20
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
14
『絵本の新世界』 https://bookmeter.com/books/1922993 で紹介されていた本。 とんぼとりに挑むけれど上手く捕れない少年たち。そこへ転校生がやってきて、見事な技でとんぼを捕る。友だち作りのきっかけってそんなことですね。話しかけたいけれど躊躇して、話し始めたら、悩んでいたのはなんだったの?というくらい仲良くなったりして。昆虫採集(この本はちょっと違う)って残酷な行為かもしれませんが、じっくり観察したり、命も考える経験なんだなぁ、と思います。2021/01/03
timeturner
5
筑豊炭田から来た転校生、自分でもどうしてかわからない心変わり、そして最後のなんとも言いようのない展開。書かずにいることのほうが多いのに、いろんな気持ちが読むほうの心に伝わってきて、いつまでも心に残る。この作家の作品はみんなそうだね。それにしても、こうやってトンボを捕まえるの、初めて知った。2023/07/18
kerosan
1
私は子どもの頃、せみとり少女だったので、楽しく?読むことができました。毎日、何十匹のセミをとり、夕方、玉入れの玉を数えるように逃がしていました。一度セミの体に糸をつけたら、リードつけた犬のように散歩できるのかなとつけたことがあります。子どもって、結構残酷です。でも、体がちょん切れてしまったので、それから2度とやりませんでした。長谷川さんはどうだったのでしょうか?2024/04/03