目次
「士」の家計簿―曾国藩の著作より(村上衛)
蒋介石と『中国の命運』(森川裕貫)
毛沢東―書家として、詩人として(石川禎浩)
著者等紹介
村上衛[ムラカミエイ]
1973年生まれ。京都大学人文科学研究所准教授。中国近現代史
森川裕貫[モリカワヒロキ]
1979年生まれ。関西学院大学文学部准教授。中国近現代史
石川禎浩[イシカワヨシヒロ]
1963年生まれ。京都大学人文科学研究所教授。中国近現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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崩紫サロメ
21
近代の巨人として曾国藩・蒋介石・毛沢東を選んだ理由は彼らは共通して特色ある軍を率い、時代を切り開いたこと、そして中国の伝統文化の影響を強く受けているという点(これが孫文を外した理由)である。曾国藩については膨大な日記から公的活動を含む「家計」を扱う。質素に暮らしながらも軍の維持は自前で、増大する収入の多くは非公式の収入に依存せざるを得なかった。国家予算についても日本は全体の収支を把握していたのに対し、中国には正確さを欠く複数の家計簿が存在していたことをあげ、19世紀後半における日中の分岐点とする。(→)2022/06/25
ふみ乃や文屋
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曾国藩の話は、中国の役人はなにかにつけて大きな出費が重なり、決まった正規の給金ではとても立ちゆかないというのは面白かった。立ちゆかないので正規の給金以外の収入がある。それでも赤字になるというのだからどれだけの出費が必要なのか恐ろしい。2019/04/03