感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
11
『火の鳥』は、大きな振り子としての物語だ。日本の国の始まりを描いた『黎明編』のあと、手塚は世界の終末を描く『未来編』を連載する。『未来編』を注意深く読むと、地下に住むマサトが通気孔を登って地上へ出るシーンは、『黎明編』のラストシーンの対比としてあることに気付かされる。グズリの息子タケルが地上に出たことで日本国が始まったのに対し、マサトの脱出により、人類は滅びてしまうという残酷な対比。しかし手塚は、ただの振り子でこの物語を終えようとはしない。(つづく)2011/09/09
ひろみ
5
2巻は未来編。AIは確実だとして判断を委ねること、朝ごはんに「合成パン」を食べること、生物は人がいくらがんばっても作り出せないこと、、などなど。素粒子から始まって、小さな物が集まって単位を作り、集まって単位を作り、、を繰り返してコスモゾーン(宇宙生命)につながる。そしてストーリーすら。こういう話が、身近なマンガで描かれていたなんて。もっと早く読みたかった!2021/08/04
arekcey
1
第2部でいきなりここまでいっちゃうとは思わなんだ。 68年の描かれたこの漫画に影響されたであろうあれやこれやの作品が脳裏にちらついた。2018/11/11
ギネス記録に載るくらい世界最高のお湯。
0
『火の鳥』という不老不死の鳥と人類の視点で描かれる。二作目に最後を持ってくる構成は思い切ったことするな、という感想よりもおそろしさすら感じる。古代編と未来編での命や存在への渇望の形は異なる。色んな聖書や現代の人間は「自分こそが特別だ」「選ばれた存在になりたい」という考えが多い。それが古代編においてもあらわれている。すべての生物が死に絶えた世界で選ばれたマサトは「なぜ自分が選ばれたのか」という嘆きに直面する。若い魂と老いた魂の生死観の違いすら考えさせる。色んな宗教の厳かさがあるが、輪廻転生観が一番強いかな2017/05/14
マロン太
0
児童向け学習漫画にも載ってる、もはや野口英世とかと同レベルの偉人・・のはずなんだが、やはり今日的に見ると手塚作品はマジキチ。だがそれがいい。最近のマンガがいかにスポイルされてるかが良く分かる。2013/06/08