内容説明
ごく普通の夏休みだった。津波が起きるまでは…。孤島に取り残されたのは3組の高校生カップルと1人の幼女。不可思議な出来事に直面しながら、力をあわせ懸命に生きのびようとする彼らの未来は―。胸に迫る青春群像。
著者等紹介
佐々木丸美[ササキマルミ]
1949.1.23~2005.12.25。北海道当別町出身。北海道立当別高校卒。北海学園大学法学部中退。1975年、「二千万円テレビ懸賞小説」に佳作入選した『雪の断章』(講談社刊)でデビュー。同作はベストセラーになり、後に斉藤由貴主演、相米慎二監督で映画化された。詩的な美文と、ミステリー、ファンタジー、お伽噺、超常現象、仏教思想などさまざまな要素を絡めた独特の作風が特徴。物語同士に何らかの関連性を持たせ、奥行きがある独自の作品世界を築きあげた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tow
12
ブックパスにて購入。読み出すと時間を忘れるくらい大好きなんです。2017/04/30
あかぽち
8
寒くなってくると読みたくなる佐々木さん、今作は珍しい孤島もの。夏休みにキャンプに訪れた無人島で取り残された学生6人。ミステリでは殺人にからむ事件が起きるシチュエーションだけど、身近な事件とSFに近い展開で不思議な爽やかさ。ただ、そのあとの事が気になる終わり方。もどかしい〜2021/11/16
しろ
6
☆6 無人島に取り残された「女の子・年上男子」のカップル三組と一人の少女の間で起こる人情模様が、佐々木丸美らしく美しく主観的に描かれている。少女が起こす超自然現象には自然物と人間の関係について深く考えさせられる。最後はしっくりこないが、超常現象に関する考察や人間ドラマなどいい読み物だった。2010/02/16
桜子
4
東日本大震災のあとに手に取ったので津波シーンの描写は絵空事と思えず怖かった。丸美さんお得意の、人類に警鐘を鳴らす抒情的箴言の数々を身の引き締まる思いで読んだ。しかし彼女は文明社会を嘲笑することは決してしない。冷徹な哲学者のごとくつねにものごとを公正に判断しようと努め、高校男子と思えぬ三賢人の口を借りて滔々と語る。おおまかな人間関係と舞台設定は交通手段の断たれた《館》シリーズと大差はないが、人間の逞しさとエスカレートする神秘現象の記述は際だっている。危機的状況が生命謳歌につながるパラドクスな孤島奇談だった。2011/05/04
b☆h
3
不思議な話。自由と不自由。最後まで謎が多いけど、楽しく読める。みんな考え方が違うとこが面白い。2010/08/13