内容説明
引揚者による社会貢献という視角。丹念な定量分析と事例分析によって明かされる、戦前の植民地社会と戦後の日本社会を接続する、「悲惨」なだけではない、もう一つの「引揚げ」の形。
目次
序章 いま、戦後社会における引揚者を問う
第1部 定量分析篇(戦後沖縄経済の牽引者としての台湾・満洲引揚者―引揚者の共通性と多様性;一九五六年沖縄引揚者の類型化と職業移動;沖縄と本土の満洲引揚者の比較―職業移動を中心に;外地就学と戦後就労―沖縄の台湾、満洲引揚者をめぐって)
第2部 事例分析篇(戦後沖縄における糖業復興―製糖経験と沖縄ディアスポラの連続性;剣とペンと台湾引揚者―松川久仁男にみる戦後沖縄の再建;玉井亀次郎とパインアップル―台湾経験を複眼的に読み解く;台湾引揚をヘテロトピアとしての八重山から捉えなおす;台湾引揚を支えた縁の下の力持ち・琉球官兵とその戦後;奄美籍の引揚者・泉有平と沖縄の「自立」;林義巳と「満州経験」―戦後沖縄労働運動の出発点)
終章 戦後東アジア再編と「引揚エリート」
著者等紹介
野入直美[ノイリナオミ]
沖縄をめぐる人の移動、ライフヒストリーを主な研究領域とする。琉球大学人文社会学部教授。立命館大学大学院応用社会学専攻博士課程後期課程単位取得退学、社会学博士(甲南大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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