内容説明
近代家族という制度に対して、私たちはあまりに無批判であったかもしれない。たしかに家族は暴力の温床としての側面をもっている。また、不当な性の差別を隠蔽するところもある。とくに地域社会や親族ネットワークなどの伝統的な共同体が崩壊し、家族がまったくのプライベートな時空を生きる閉鎖的な集団となってしまった現在において、家族の問題は急を要する社会問題であろう。
目次
第1章 病としての児童虐待
第2章 女性の「身体」への虐待
第3章 ドメスティック・バイオレンスの社会病理
第4章 「良妻賢母」という思想と幻想
第5章 男と女・家族関係のゆくえ