内容説明
エイラにとって、運命とは切りひらくものだった。3万5千年前の壮大な愛の物語、育てられた一族を離れ、ひとり旅するエイラを待ち受けていたものは?波乱の第2部いよいよ登場。
著者等紹介
アウル,ジーン・M.[アウル,ジーンM.][Auel,Jean M.]
1936年、シカゴ生まれ。18歳で結婚、25歳で五人の子の母となる。エレクトロニクスの会社に勤めるかたわら、ポートランド大学などで学び、40歳でMBA(経営学修士号)を取得する。この年に、先史時代の少女エイラを主人公とした物語の執筆を思い立ち、会社を退職して執筆活動に入る
佐々田雅子[ササダマサコ]
立教大学文学部英米文学科卒業。英米文学翻訳家
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感想・レビュー
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文庫フリーク@灯れ松明の火
68
表紙のエイラが抱くライオンが、瀕死の状態からエイラの治療によって救われ、育てられたケープ・ライオンのベビー。体格は現在のライオンの倍。妻を、身籠った子どもごと喪った傷心のソノーランに付き添い、旅に出た兄弟。偶然雌ライオンの追ってきたシカを、槍で仕留めたものの、獲物は雌ライオンに奪われる。深追いしてケープ・ライオンの縄張りに入り込み、弟は成長したベビーに首を折られ絶命。ジョンダラーも脚に致命的な傷を負う。ベビーを制止し、彼を救ったのはエイラの独創の知恵。ジョンダラーの縫い合わされた服をヒントに、シカの→2014/10/23
マッピー
20
同族を探す旅に出なくてはいけないことが分かっていながら、彼らに拒絶されたらという不安から旅立てないエイラ。エイラより一足早く群れに戻ったウィニーだったが、連れ合いを亡くし、お腹に子を宿した姿でエイラのもとに戻ってくる。しかし、今度はベビーが一匹の雄ライオンとして巣立っていったのだった。そんな時、旅をしていたエイラと同族の兄弟がベビーの棲み処に忍び込み、弟のソノーランは即死、兄のジョンダラーが瀕死の状態でエイラに発見される。惹かれあうエイラとジョンダラー。しかし言葉や風習の差が、ふたりの理解を妨げる。2024/11/01
punyupunyu
14
ジョンダラーをベビーから救い、二人きりで過ごした一夏。生みの親を亡くした辛い夢を切欠に、エイラの新人類としての脳内回路が復活。新人類は居住地ごとに言葉が異なっていて、共通のコミュニケーション手段はないが、エイラが話し始めたのはジョンダラーと同じゼランドニー族の言葉。単語をゼランドニーから習っていた素地があったとしても不思議で意味深だ。物語の伏線だったりするのかな?。互いが育った慣習・文化を乗り越えて親密度を増した二人が、マルトイの狩人たちに出会うところで本巻はおしまい。次の巻も楽しみです。2014/11/24
橋川桂
5
ようやく出会ったエイラとジョンダラーだけど、そこから意思の疎通をはかるのに一苦労で、言葉を交わせるようになってもいつの時代も異文化交流はやはり難しく、誤解やすれ違いもあって、と普通のラブストーリーならニヤニヤして見守るところもかなりヤキモキ。ところで、ウィニーが雌でベイビーが雄というの、逆じゃないかと思ってしまうの私だけ? いや、なんとなく。 2017/10/06
びっぐすとん
5
図書館本。やっとエイラと兄弟が会えたと思ったら弟があっけなく死んでしまった。結構イイヤツだったのに、ソノーラン。エイラが言葉を話せるようになったり(唐突に流暢になるけど)、道具の改良を思いついたり、エイラ達的には文明開化というか産業革命が起きる。道具の話は面白いんだけど、やたらと「春の目覚め」的な話に持っていきたがる。終盤はほとんどハーレクインみたいな会話ばかり。ちょっとウンザリ。旅立つ二人にはこれからも旧人VS新人の確執が付きまとうんだろうな。まだまだ先は長いな~。2017/02/13