内容説明
波止場に口笛が聞こえたあの頃、25歳で野毛のキャバレーの支配人。やがて若きその才能と頭脳、度胸は横浜の夜の世界に鳴り響いた。戦後の動乱期を生き抜いた男が語る古きよき横浜物語。
目次
第1話 ハロー横浜、黄金の港
第2話 ハマの番長伝
第3話 レモンと口紅と進駐軍
第4話 チャイナドレスの女
第5話 ひばりと「おしどり」
第6話 クリフサイドのしのび逢い
第7話 君は若羽黒を見たか
第8話 ダイス転がせ、ドラムを叩け
第9話 お三さまの涙雨
第10話 伊勢ブラは港へ続く散歩道
最終話 されば港の数多かれど
著者等紹介
松葉好市[マツバコウイチ]
昭和11年横浜生まれ。真金町遊廓で生まれ、23歳で若葉町にバーを開店。25歳で中華街のドンに指名され野毛のキャバレー「チャイナタウン」の支配人になる。若きその才能と頭脳、持ち前の度胸は当時の横浜の夜の世界に鳴り響いた
小田豊二[オダトヨジ]
編集者、作家。昭和20年旧満州生まれ。劇団こまつ座機関誌「the 座」編集長。日本聞き書き学会講師
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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わんつーろっく
8
松葉好市が語り手となり、日本聞き書き学会講師である小田豊二が聞き書きした横濱の物語。この松葉好市は故桂歌丸と小学校・中学校と同級生であり、同じように遊郭で生まれ育った生粋のハマっ子である。戦後連合軍に接収された混乱期に、ケンカに明け暮れた武勇伝から、度胸と才覚で横濱の夜の世界を渡り歩いた歴史は、青春そのものだったと振り返る。松葉氏の語り口がいきいきと再現され、当時の白黒写真から、町や人々の息遣いまでが、まるで目の前に浮かぶように引き込まれた。2018/08/11
がんちゃん
2
横浜でもヨコハマでもYOKOHAMAでもなく、横濱なんだよな。アメリカ文化がどっと入ってきて、それに触発された町の人たちが活き活きと生きていた時代。ダンスホールがあり、キャバレーがあり、ジャズがあり、ブルースがあった時代。やんちゃな喧嘩も日常茶飯事。もちろん、はかない恋もたくさんあった。う~、なんかオシャレに感じちゃうんだよなぁ。よ~し、ダンスホールもキャバレーもなくなってしまったけど、俺もオシャレに生きていくぞォ。な~んてね。無理無理。ハイ、わかっております(笑)。2022/09/15
Junko M
2
中華街生まれ、横浜育ちの私には、古い話でも案外楽しく読めました。親が話していた会話とか思い出したりして・・・建物や人名や沢山出てきます。横浜大好き!2012/02/15
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