感想・レビュー
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ken
5
清沢満之の精神主義に影響を受け、生涯に渡り信仰に生きた仏教者である暁烏敏。個人の救済に主眼を置く彼の思想は戦前戦後において「異安心」として非難を受けることとなったが、ここに収められる彼の言葉にはむしろ宗教的生命が横溢している。宇宙には一つの大きな生命が流れており、それは個人の内奥にも宿っている。個の内奥には生命=阿弥陀如来が宿る。その事実への気づきと信仰。そんな根源的な地平に立脚しつつ、彼の思想は決して社会を排斥しない。むしろ信仰の上に立つ社会生活、信仰の上に成り立つ他者の回復、一貫してその可能性を説く。2020/03/03
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