出版社内容情報
【絶滅してしまった動物たちを描いた創作絵本】広い大地を走る汽車。汽車には、ドードーの紳士、卵を大事に抱えたオオウミガラスの夫婦、リョコウバトの団体客など、たくさんの乗客が乗っています。その中に、お父さんと旅をする男の子がひとり。男の子は車内をまわって、動物たちと会話をしたり、つぶやきを聞いたりします。しばらくすると、汽車が駅に止まり、ドードーの紳士が下車していきます。その後も駅に着くたびに、乗客がひとりずつ降りていき、徐々に車内は寂しくなっていきます。
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
327
森洋子・作。月明かりの下、広い大地を行く汽車。宇宙空間を行くのではないが、そのたたずまいは宮澤賢治の「銀河鉄道」を想わせる。汽車に乗っているのは、たくさんの動物たち(哺乳類もいれば、鳥類や爬虫類、両生類も)。男の子(推定・小学4年生)とそのお父さんも乗っている。車内はにぎやかなようでもあるが、やはりある種の静けさが支配している。最初に下車したのはドードー。1681駅だった。次は1800駅でブルーバックが、さらには1844駅でオオウミガラスが降りていった。大人の読者には、これは暗喩でもないほどにわかる。⇒2026/07/04
starbro
243
タイトルと表紙絵が気になり、読みました。森 洋子、初読です。銀河鉄道の夜の様な摩訶不思議な世界、魅力的な絶滅動物たちが多種多数登場します。 https://www.fukuinkan.co.jp/book?id=7831 2025/10/03
hiace9000
181
隣町の図書館。帰り際に書架でふと目が合い、手に取りそのまま腰掛けて読み終えた一冊です。さまざまな珍しい動物たちが犇く汽車。父親と乗車した男の子は動物たちとの会話を楽しみながら、星が輝く広い大地を走る汽車にガタゴト揺られています。極めて細密に描かれた動物たちで満員の車内は、生気に満ち溢れながらも、不思議な物悲しさに縁取られています。そして車掌から耳打ちされた動物から、ある数字が書かれた駅に降りていきます。車内に空席が増え出した時、男の子は尋ねます。「ねえ、おとうさん。ぼくたちはいつまでのっていられるの?」2026/08/20
KAZOO
132
私は表紙を見て、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を思い出してしまいました。内容は異なりますが受ける印象が似ているものがあります。私好みの落ち着いた茶系統の色合いの絵です。車掌と父親と子供の以外はすべて動物たちです。その動物たちが降りたり乗車したりします。楽しませてくれる本でした。2026/02/17
もんらっしぇ
113
読友さんの書棚から拝借。まず暗い表紙の印象と、最初ページを捲ってすぐに、この絵本の指し示す意図が分かりました…少年と父親が乗る汽車に、なんとドードーやオオウミガラスといった絶滅した動物たちが乗り込み、駅ごとに降りていくストーリーなのです。きれいごとなどは言いますまい。この終点の駅が不明な汽車に少年と父親、人間も乗っている、大いなる皮肉。いやいや、いきなり大人の解釈はよしましょう、子供たちが読んで、読み聞かせをして、謎解きをする。そこに意義があるに違いない素晴らしい一冊。傑作。→ 2026/09/26




