出版社内容情報
【絶滅してしまった動物たちを描いた創作絵本】広い大地を走る汽車。汽車には、ドードーの紳士、卵を大事に抱えたオオウミガラスの夫婦、リョコウバトの団体客など、たくさんの乗客が乗っています。その中に、お父さんと旅をする男の子がひとり。男の子は車内をまわって、動物たちと会話をしたり、つぶやきを聞いたりします。しばらくすると、汽車が駅に止まり、ドードーの紳士が下車していきます。その後も駅に着くたびに、乗客がひとりずつ降りていき、徐々に車内は寂しくなっていきます。
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
151
タイトルと表紙絵が気になり、読みました。森 洋子、初読です。銀河鉄道の夜の様な摩訶不思議な世界、魅力的な絶滅動物たちが多種多数登場します。 https://www.fukuinkan.co.jp/book?id=7831 2025/10/03
花ママ
56
初読みの絵本作家さんです。何とも不思議な雰囲気を持った色彩で描かれていたのは、今はもう見ることができない動物たちと絶滅危惧種になっている動物たち。それぞれの動物が下車する駅には、ある数字が刻まれています。同じ列車に乗っている人間の男の子が父親に「ぼくたちはいつまでのっていられるの」という言葉が何を暗示しているのかが読み手に伝わります。ただ最後に少し明るい出来事も描かれています。もうこれ以上誰も欠けてほしくないと静かに訴える、とても良い絵本です。2025/11/03
MI
56
汽車の乗客、駅に着くたびに降りてまた新たなお客様が乗ってくる。男の子が車窓から見る眺めや乗客(ほとんどトリやナマケモノなど)の日常がさりげなく垣間見える。夜の車窓。モノトーンの絵の中に、ポイントだけカラーをいれてコントラストがとても綺麗な絵。絵本の世界に入り込めた。2025/10/10
はる
46
雰囲気のある絵本。宮沢賢治を思わせます。父親と一緒に夜汽車に乗る男の子。汽車には様々な動物が乗っていましたが、駅に着く度に降りていきます。あぁ、この動物たちは…。仄かな明かりの中の静かな世界。森洋子さんの味わい深い絵に引き込まれます。2025/10/10
イカまりこ
12
書き込まれら生き物たちの衣装をじっくり眺める系の絵本だと思ってた。だけど下車する駅の看板が数字で、年代だって気づいた時、鳥肌立つほど切なく悲しくなった。なんて悲しい汽車なんだ。人類の愚かさはなんて罪深いんだ。そんな中、乗車してくる生き物がいた。アホウドリの保護活動の本、読んだことあったの思い出した。もう出会えない種族を増やさないよう、ある星=地球の住民を平等に扱わなきゃだなと思う。2025/10/24




