出版社内容情報
美しい姿をしたオオセンチコガネという虫がいます。この虫の大好物は、うんこ。成虫は動物のうんこを食べ、うんこの塊を地中に作って幼虫を育てることが知られています。しかし、土の中での幼虫の生態は謎につつまれてきました。絵本作家の舘野鴻さんが、知恵と根性と体力で、うんこ虫のくらしの解明に挑みます。失敗を繰りかえし、取材にかかった月日は4年。現代のファーブル昆虫記のような、オオセンチコガネの一大観察記です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
36
「たくさんのふしぎ」で出版されたものの焼き直しです。今までの舘野さんの本は研究成果、といった感じの内容でしたが、こちらは現在進行形。うんちに慣れ切った舘野さんの剽軽な姿も登場し、足元にいる小さな生き物にまだまだ謎が隠れていることや、それを観察しより理解を深めていく喜びがつづられています。「さあ、こちらの世界にいらっしゃい!」と言わんばかり。楽しい絵本ですよ!2024/06/22
Kazuko Ohta
23
ドキュメンタリー映画『うんこと死体の復権』を観て著者を知りました。う◯ことゲロネタが出てくる映画は苦手なんですが、なんとなくこれは劇場に足を運んでしまい、最後列に座ってう◯こは直視しないようにして鑑賞。う◯こを好物とするオオセンチコガネはその生態が謎であることに興味を惹かれた舘野さん、オオセンチコガネを飼って詳細を記す。虫の絵で知られる人ですが、人間を描いてもすごく良い。腰に手を当てて首をひねるオッサンの後ろ姿には笑った。牛糞使用でよかったと思ったらやっぱり俺糞かよ。しかも結局う◯こに限らんてか。(^^;2024/11/07
Nao Funasoko
21
「昆虫MANIAC」(昆虫展)で知り、「うんこと死体の復権」(映画)でさらに興味は募り辿り着いた一冊。今年の夏は、うんこと死体が繋ぐ生命の連鎖について知見広めることになった夏でした。2024/09/01
takaC
19
舘野さんライフには憧れるよ。2024/12/01
Shoko
19
図書館本。次男と共読。「草も虫もケモノも、産まれて死んでいくのはみんな同じ。嫌いな虫も「何をしているんだろう」とか、「頑張っているんだな」とか、そんなことをふと感じた瞬間に、ちょっと愛おしく見えてくるものです。」 この本の主人公はオオセンチコガネ。通称うんこ虫。見た目は宝石のようにキラキラしているけれど、食べるものはその名の通り、動物の糞。中でも草食動物の糞が好み。小さな体で地下深く(実験では45から83センチ)まで穴を掘り、卵室に卵を産み、幼虫のエサとなるうんこを運んで胸と背中でグイグイと押し固める。→2024/07/21