出版社内容情報
冬の北極は暗く寒い。でも春になると生き物が一気に増え、豊かな季節が訪れる。極地の恵みを求め、地球をわたる動物たちを描く。
暗く寒い冬の北極。生き物の姿は少なく、雪と氷ばかりです。でも春になると、その姿は一変します。極地の海の豊かな栄養を糧にプランクトンが大発生し、それを目当てに多くの魚や動物が押し寄せます。さらに彼らを捕食する動物たちもやってきます。地球上のあちこちから、たくさんの動物が命がけでわたってくるのです。自然の豊かさと生き物のたくましさを実感する絵本。環境分野に詳しい訳者執筆の巻末解説は日本語版オリジナル。
【著者紹介】
ニック ドーソン グラフィックデザインや農業など、さまざまな分野に関わる仕事をした後、現在は教師として、英語と演劇を教えている。自然史に関する造詣が深く、この絵本を刊行した英国の出版社Walker Booksから、絶滅危惧種のパンダ、トラをテーマとする絵本”Tracks of a Panda” ”Tigress” が刊行されている。英国・サフォーク在住。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
188
北極。地球で一番北にある陸のない消えゆく島。命がけの長い冬は太陽も姿を消し、吹雪続ける氷上をホッキョクグマがひとり歩いている。空や海や陸から多くの生きものが冒険をして集まってくるまでは。春はきっとやってくるけれど。果てから果て、南極から来るものもいる。豊穣の地を求めて。貴重な芽吹きに集まるカリブーの大群。その後をつける狼。厚い氷もひび割れて水路となり、生きものはつながっていく。夏になると暗闇が姿を消し、光り続ける世界を鳥が舞っている。太陽が消える頃、満たされたものは南をめざして、残るものは春を待ちわびて。2023/01/21
ぶんこ
52
我が家に北極の氷原をを行く2頭の北極熊の後ろ姿の写真があります。私のお気に入りで、見ていると心が落ち着きます。この写真のおかげで北極が大好きになりました。限られた動植物しか生きられないと思い込んでいたのですが、夏になると多くの動物たちが南からやってくる。その様子を描いた絵が実に素敵です。どの生き物も眼が優しく描かれていて、見ているとウットリしてきます。たった3ヶ月ほどの夏の為に、遥か遠くから旅してくる生き物たち。健気です。そんな生き物たちに、人は目を向けて地球を大事にしなくてはと思いを新たにしました。2018/02/06
イケメンつんちゃ
40
13日の木曜日から二週間 お米が高い お米が無い 風のウワサで おにぎりは高騰 山梨はほうとう 涌井は暴投 山下清も頭が痛い 独りオイルショック なかなか忙しい平日 同時侵攻を試みるも 諦めも必要 読みたい絵本を押し退けて アナタを取りました 福音館書店らしいなあー 動物たちは北へ行きたがる 馬鹿と煙は高いところへ上る 北極圏には 食べ物を クジラもしろくまも 壮大な北の風景が心地良い 地球温暖化の加速を止めないと 農林水産大臣に騙された感否めない 買い求めるごとに価格は上がる とらや 御題羊羹 夢さやか2025/02/27
ベーグルグル (感想、本登録のみ)
36
学校図書館。北極は一年を通して寒いと思っていたが、春になると空から、海から、陸から、沢山の生き物たちが北極へ向かっていく姿に驚きました。食料を求めて、はたまた子育てのため。自然の営みを垣間見ているようで、壮大なドキュメンタリーのようでした。でも環境問題を忘れてはいけない。北極での自然の営みが少しずつ崩れているのは人間のせい。このまま何もしなければ2050年には北極の氷はなくなるかもしれない。2018/01/14
そら
28
季節が来ると大移動をする生き物たち。渡り鳥は有名ですが、海の動物、陸の動物も、みんな同じ場所を目指すんですね。壮大です。お話ではないし、長いので読み聞かせには不向きかもしれませんが。。とっても良い本。2018/06/29