感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
160
ビックバン、約138億年前から刻み始めた「とき」。太陽や地球が誕生し、恐竜の時代、人間の時代、おおむかし、むかしむかし、むかし、親が子どもだった頃、頁を捲るたび、谷川俊太郎さんの言葉とともに時が過ぎていく。ここに家が建てられて、わたしが生まれて、日が昇り、雪が降り、夕焼けに、雨上がり、定点カメラのような絵本は昭和の佇まい。今は今しかなくて、すぐ過去になる。今は今しかなくて、未来は過ぎていく。「とき」を見つめ直すと、過去に思い巡らせ、未来に希望を持てるような気がしてくる。絵の力、言葉の力って心を支えるもの。2025/02/22
けんとまん1007
55
まさしく「とき(時間)」を考えることが多くなってきたので、こころに響くものがある。これまでの「とき」があって、今の自分がある。今の自分があり、明日の自分があり、次の代につながっていく。過去を振り返りこそすれ、過去に囚われることなく、「とき」を過ごすこと。気が付くと、そんな風に考えたいと思うようになっている自分がいる。谷川俊太郎さんの影響もあるように思う。2025/03/24
読特
45
慣性の法則、万有引力、電磁気力。大きな星から、小さな微粒子まで、それぞれが一見独立して、乱雑に動き、時が刻まれる。全てのものが一斉に振り返り、今来た道を戻り出す、なんてことはなく、時間は一方的に流れる。宇宙の誕生から、地球ができて、生き物が生まれ、人類が進化して、今がある。この瞬間は次の瞬間に過去のものとなる。かげろうの生涯は24時間、かめは100年生きる。「とき」は誰にとっても平等なわけではない。地球に生があれば、宇宙に意識があるのなら、人の寿命は儚い一瞬。再びページをめくる。空想は何度でも繰り返す。2024/02/22
chiaki
45
地球の誕生から今現在までの時の流れを描いた絵本。こんな壮大なテーマを、さらりと…たったの23ページで表現できてしまうのは、谷川さんと太田さんコンビだからに違いない。自転車で走り去る三日月の怪しさが、いたずらに過ぎゆく時を思わせて最後とても余韻が残る…。これは是非復刻をお願いしたい!2021/03/15
momogaga
30
【大人こそ絵本を】古めかしい画に味わいがある。CMの映像に使ったら今の時代に受けるかも。2017/04/29