内容説明
ぼくは小村武蔵、5年生。うちが“昔ながらのパン屋”だから、「ムカシ」って呼ばれてる。図工の時間に自分の将来を絵に描くことになったんだけど、なんの夢も希望も浮かんでこない。パパは売れもしないヘンテコなパンを作ってはひとりで喜んでるし、今どきパソコンもない店なんて…でもある日、一発逆転のチャンス到来。小学校中級から。
著者等紹介
田部智子[タベトモコ]
1957年、東京都生まれ。東京学芸大学幼稚園科を卒業後、公立幼稚園に7年間勤務。その後、子育てをしながら、木工作と文章修行に打ちこむ。日本児童文学者協会が主催する「創作教室」などで学び、『パパとミッポの星の3号室』(岩崎書店)でデビュー。「SF・ファンタジー研究会」「ランチュウ」同人。地元の児童センターで、手作りおもちゃの講師としても活動中。現在、東京都在住
岡田千晶[オカダチアキ]
1961年、大阪府生まれ。セツ・モードセミナー卒。個展・グループ展を開くいっぽう、雑誌・ムック・教科書など幅広いジャンルでイラストレーションの仕事をしている。日本イラストレーション展’89、ボローニャ国際絵本原画展2010ほかの入選・入賞歴がある。現在、神奈川県在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スイ
11
将来の夢を絵に描くという課題をきっかけに、自分の家のパン屋と家族のことを知り、一つ成長する主人公の姿にこちらも笑顔になった。 長い作品ではないのだけど、丁寧に描かれていて心情の変化がとても自然。 周囲の人物も生き生きしていて良かった。 続編も読んでみたい。2021/02/24
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
6
読書会【テーマ 伝えていきたい子どもの本】 おすすめリスト (朝読書高学年) シリーズ 『司書と先生がつくる学校図書館』より5年生向け。2014/04/15
ココねこ
2
個人的には「たくあんぱん」にちょっと興味ある(笑)2010/11/20
Sayuri Kagawa
1
パパは真っ直ぐな人。武蔵もその血を継いでいる。そして優しいおばあちゃんとかわいい妹。バランスのいい家族だと思う。いつまでも白紙の画用紙がムカシいや、武蔵の素直さだと思った。モチーフは単純だが文章、構成ともに安定していて引き込まれた。ユウレイ通り商店街を歩いてみたい。2015/07/11
さきたまおおはし
0
ファンタジーではなく現実の世界のお話。裏駅商店街の昔ながらのパン屋さんちのムカシくんは、パン屋の主人で骨太なパパ、気の優しいおばあちゃん、3年生の妹と四人暮らし。クラスメイトのうちがやってる、表口商店街のオシャレなパン屋さんにちょっと引け目を感じたり、家族で外出したこともないのをちょっと口惜しく思ったり、同世代の子供たちの暮らしが気になり比べてしまう年頃。小学生も5年にもなれば、もう社会的なんだなあ。普通の子の普通の暮らしや悩みや心情が素直に描かれ楽しく読んだ。挿絵がもっと元気だったらなあ。2015/06/14