内容説明
腰が折れたスズメを介抱したおばあさん。スズメの恩返しで家は栄えます。それを聞いた隣のおばあさんも腰折れスズメを探します。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kawai Hideki
55
娘の「すずめの本」リクエストに応えて。子供の投げた石で腰が折れ、飛べなくなったすずめを、親切なお婆さんが介抱するお話。回復したすずめは、お礼に何かのタネを運んでくる。タネを植えてみると、ひさご(ヒョウタン)が実り、そのひさごから米があふれんばかりに湧き出て大金持ちになる。さて、それを見ていた近所の意地悪ばあさん。自ら石を投げてすずめ三羽を腰折れにし、介抱して礼を我がものにしようと企むのだが・・・。意地悪ばあさんの行動原理って、競合の動きばかり気にして、お客さんを見てない企業の振る舞いに似てるな、と思った。2016/09/03
chiaki
38
日本の昔ばなし。こどもの投げた石が当たって動けなくなったすずめを必死に介抱してあげたおばあさん。すずめはおばあさんへのご恩を忘れずに瓢箪の種を持って戻ってきます。育ったたくさんの瓢箪を隣近所に分け与えたおばあさん、自らもその瓢を開けてみれば富み栄える程の米粒が!!するとやっぱり出た!となりの強欲おばあさん!!笑 当然の報いよ…。瀬川康男さんによる画が、とても味わい深い!2021/04/01
たまきら
33
ひっど!舌切り雀もひどいけど、これひっど!娘と呆然としながら読みました。…ここからは今悩んでいることなんですがね、ようやく子ネコ8匹の行き先が決まったらですね、まただらしない家で子猫が生まれるっていうんですよ。夫婦で怒り心頭なんですが、多分怒っても向こうは理解できないだろうし、母猫ごと保護したいんですがね、どうしたものかと…。現在も、人間のそばにいる動物の受難は形を変えて続いている気がします。2019/07/11
ぼんくら
30
【「瀬田貞二」生誕100周年】イベント♪瀬田貞二文、瀬川康男絵。雀に親切にしたばあさんが、雀の落とした種をまくと、米の出るヒョウタンがなった。これを聞いた隣の欲深ばあさんが・・・。あまり知られていないけど、とっても面白いお話。瀬川さんのデザイン的な絵がとてもいい。とくによくふかばあさんの顔がなんともにくたらしい。2016/04/23
ヒラP@ehon.gohon
13
無欲の善意がもたらした思いもかけぬ富と、それをやっかむ対抗心。 となりの婆さんの飽くなき行動が、たまらなく印象的な作品です。 すずめの腰を折っておきながら、数の上で勝負。愛情のない偽善にもたらされた結果を、なかなか認めない執念。 となりの婆さんの醜さに圧倒されながら、自分自身の中にもこんな打算があることを、チクリと戒められたような気がしました。2019/05/22