内容説明
森の奥の古い城。とじこめられた王女が魔法の本のページをくると、王子は黄色いカナリアとなって、こずえより高く舞い上がる…。イタリアを代表する作家カルヴィーノが、イタリア全土を旅しながら収集し再話した、二百編の民話。その中から恐ろしくも美しい選りすぐりの七編をお届けします。
著者等紹介
カルヴィーノ,イタロ[カルヴィーノ,イタロ][Calvino,Italo]
1923年、キューバ生まれ。2歳の時、両親とともにイタリアに戻る。1945年に作家デビュー。自身のパルチザンでの体験を元にした長編『くもの巣の小道』で注目を浴びる。寓話的、幻想的な作品を発表する一方で、イタリア全土から採集した民話をまとめた『イタリア民話集』の編纂も手掛けた。1985年没
安藤美紀夫[アンドウミキオ]
1930年、京都府京都市生まれ。京都大学文学部イタリア文学科卒。北海道に渡り、高校教師を務める傍ら、イタリア児童文学の研究、翻訳を続け、また自ら創作も手がけた。1990年没
安野光雅[アンノミツマサ]
1926年、島根県津和野町生まれ。74年、『ABCの本』、『きりがみ太郎』で芸術選奨文部大臣新人賞受賞。他に国際アンデルセン賞をはじめ、受賞多数。88年、津和野に安野光雅美術館が落成。東京在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アキ
77
イタロ・カルヴィーノ「イタリア民話」200編の中から7編を選び、安野光雅の挿絵と安藤美紀夫の訳で楽しめる。「カナリア王子」まま母から疎んじられた王女が王子をカナリアにする魔法を与えられ最後に結婚するハッピーエンド。他に「鳥小屋の中の王子さま」「太陽のむすめ」「金の卵を産むカニ」「ナシと一緒に売られた子」「サルの宮殿」「リオンブルーノ」いずれも最後は王子さまと王女さまの結婚で終わるがそれぞれの過程が違って面白い。最近読んだばかりの絵本「梨の子ペリーナ」と同じ話もあり、親しみを感じた。最後の話が好みでした。2021/01/29
おはなし会 芽ぶっく
13
イタリアの昔話、バラエティにとんでいます。挿絵は安野光雅さん。カナリア王子/とりごやの中の王子さま/太陽のむすめ/金のたまごをうむカニ/ナシといっしょに売られた子/サルの宮殿/リオンブルーノ の7篇2019/12/02
KAZOO
11
むかし話のもともとは結構残酷な話が多いのですよね。日本も子供用に書かれたものとは異なり結構残酷な話もあり、グリムもそういうのが多いのですがこれもそれにたがわないものがあります。およそ安野さんの絵に合わないような話もあります。まっぷたつの子爵で有名なカルヴィーノが採話したものの一部ですが、大人用の感じがします。2013/09/18
chatnoir
9
本を前から捲ると人間がカナリアに、後ろから捲るとカナリアが人間になる...金を生むカニの甲羅を食べると王様に、足を食べると毎朝枕元にお金が...ドラえもんもビックリなアイテムや、奇想天外なお話が7つ。グリムやアンデルセンほど知名度が無くて残念...いつかこの作者の収集したもの全部読んでみたい。やっぱり童話は楽しい。〝およろしければ”みたいな変な日本語が出てきたけど、本当は丁寧に言うとあってるのかな??? 2015/11/25
そらこ
7
イタロ・カルヴィーノイタロの民話集から7話。数奇なことが起きる物語ばかりで、どれも魅力的で面白い。私は「サルの宮殿」がとくに好き。2021/02/03