著者等紹介
北村恵理[キタムラエリ]
1946年、北海道空知郡北村に生まれ、子ども時代を牧場ですごした。恵泉女学園短期大学園芸科を卒業して、北海道大学農学部付属植物園に勤務。結婚後、カナダに移住し、カルガリー市で暮らす。1973年、はじめての作品『こぐまのたろの絵本』で、第27回毎日出版文化賞を受賞する
金井田英津子[カナイダエツコ]
1955年、群馬県桐生市に生まれる。筑波大学大学院修了。版画制作のかたわら、本の装丁挿画をてがける。2004年、長谷川摂子作『人形の旅立ち』の装丁挿画で、第18回造本装幀コンクール審査員奨励賞を受賞する。千葉県在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみねこ
71
1950年代後半の石狩平野の牧場の日常を、ハコちゃんという少女の視線で小学校3年生から4年生までの2年間に凝縮して綴った物語。おじいちゃんを中心に大勢の家族や牧場で働く人々、大自然の脅威。読み友さんの感想にもありましたが、大草原の小さな家を彷彿とさせます。読んで良かった!お勧めです。2017/04/18
はる
47
「大草原の小さな家」の日本版といった感じ!1950年代の北海道。牧場で暮らす少女と家族の四季が牧歌的に描かれます。郷愁を誘う昭和の生活の様子と共に、北海道の雄大な自然の描写も魅力的です。素朴な暮らしの中の様々なドラマにワクワクしました。2017/04/09
ぶんこ
38
小学校低学年のハコ(春子)の2年間が、北海道の自然の中での素晴らしさとともに過酷さが伝わってくる物語でした。洪水、大雪といった自然災害にもめげずに明るく立ち向かうおじいさんとお母さんが素晴らしい。中学入学で寄宿舎生活になるというのも驚きでした。東京から嫁いだお母さんの頑張りには頭が下がります。イタズラ好きなハコちゃんが泣き出すタイミングが、私には思いもかけないところなのも面白い。都会では味わえない貴重な環境ですね。淡々としながらも、気持ちがゆったりしてくるお話でした。2017/05/07
はるき
14
武骨で骨太な文章と大自然の描写が秀逸。現代みたいに秒速で除法が氾濫しない、黒電話しかない時代に過ごす子供の日常は濃密で楽しい。厳しい現実から目をそらさない視点が良い。2015/10/12
ぴょこたん
4
1950年代の北海道を舞台とする物語。 おそらく作者北村恵理さんの実体験をもとにかかれたものであろう。それがかえってよかったと思う。往時の風俗や民俗が具体性を帯びて描かれているのである。本当にその風景が浮かんでくる。 すてきです。 読んでいると私の大好きな映画「やかまし村」が思い出された。今では失われた鄙での子供たちの生活。そこが重なるのだろう。 北海道のすぐれた小説というと三浦綾子さんを思いつくけど、その三浦さんのよりも現実感、身近さがある作品という印象を持った。2007/08/14
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