福音館文庫
レクトロ物語

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  • サイズ B6判/ページ数 381p/高さ 17cm
  • 商品コード 9784834021738
  • NDC分類 K943
  • Cコード C8297

内容説明

いつも新しい自分を夢見ているレクトロは、道路掃除夫、駅長代理、飛行船のビラまき係など、風変わりな仕事につきますが、そのたびに奇妙な事件がふりかかり、どの仕事も長続きしません。細密で明快な絵と寓話的なストーリーが創りだす独特のチムニク・ワールドを完訳版でお楽しみください。小学校中級以上。

著者等紹介

チムニク,ライナー[チムニク,ライナー][Zimnik,Reiner]
1930年、現在のポーランド領のボイテンに生まれた。第二次大戦の終戦間際に親戚を頼ってバイエルンへ逃れた。ミュンヘンの美術学校で絵画を学んだが、在学中から挿絵入りの本を手がけ、たくさんの作品を出版している

上田真而子[ウエダマニコ]
1930年、和歌山県に生まれる。京都府立女子専門学校卒業。ドイツ・マールブルク大学中退。京都ドイツ文化センターに勤務の後、児童文学の翻訳をはじめる。滋賀県在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

小夜風

25
【図書館】「クレーン男」に少しだけ出てきたレクトロのお話。レクトロが職を転々とするのですが、その度におかしなことが起こり、どの仕事も長続きしません。ユーモアたっぷりに楽しく書いてあるのですが、何なんでしょうね、この切なさは……。レクトロのあまりに優しく繊細で傷つきやすい心が、胸にチリチリとした感触を覚えさせます。読んでいて、宮沢賢治の童話みたいだなぁって思いました。レクトロが凄く愛おしいです。ぐちゃぐちゃに描いてあるように見えて(失礼!)緻密な挿絵も良かったです。2015/12/04

スズコ(梵我一如、一なる生命)

8
一旦中断ののち、読了。とても東欧的な、ハッピーになれない大人の為の寓話達。不思議な事件が起こるせいではあるが、毎話毎話レクトロは仕事をクビになる。そして、大抵その裏には彼の風変わりで頑固な性格が影響を与えている。強い個性は社会と迎合できない、ということがよくわかる。。。正直、私はレグトロを余裕のある目で見ることは出来なくって、読んでいて辛かった…2014/09/27

スローリーダー

6
周囲に家族も知人もいない孤独なレクトロが夢を見ることで健気に生きていく。彼の周りにはいつも大勢の人がいるし、仕事仲間もいる。人の為に懸命に働き、その功績は称賛される。でも最後にはいつもひとりぼっちだ。そしてレクトロは自分の存在をこの世に留めようと素晴らしい発明をするが...。「あっ」と声が出るほど衝撃な出来事だった。しばらくは思考が停止した。この本は深く静かに考えさせられる含蓄に溢れた大人の童話である。2014/09/30

nido

3
レクトロ大好き ♡ 原書で読めたら、もっと素敵だろうな~。最近、他の福音館文庫を買ったら、レクトロの栞が入ってて、うれしかった。

峰岸トモ

3
レクトロは素晴らしい才能を持っている。なのにどうしていつも仕事を続けられないのだろう。それともその多才さはすべて夢想で。レクトロの素晴らしい才能とは唯一うっとりと夢にふけることだったのだろうか。幸福に自身すら夢となって消えて。そして何も残らないのだろうか。何も残らないことは、悲しいことではなくて、夢となる幸福なことなのだろうか。2011/11/28

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