内容説明
人間を避け、陸地を離れ、海底に生きる男、ネモ艦長。物語はこの謎の男をめぐって、潜水艦ノーチラス号の中で緊張した人間ドラマを展開していく。太平洋、インド洋、大西洋、さらに南極へと、人類がこれまで見たことのない驚異と神秘にみちた海底世界に、読者は主人公のアロナックスと共に導かれる。小学校上級以上。
著者等紹介
ベルヌ,ジュール[ベルヌ,ジュール][Verne,Jules]
1828年、フランスの港町ナントに生まれる。広範な知識と豊かな空想力によって、数多くの作品を書き、科学冒険小説の分野で、多くの作家に影響を与えた。おもな作品に、『地底旅行』、『八十日間世界一周』、『神秘の島』、『二年間の休暇』など多数ある。1905年没
ヌヴィル,A.ド[ヌヴィル,A.ド][Neuville,Alphonse de]
十九世紀フランスの画家で、ことに戦争画家として人気があった。1836~85年
清水正和[シミズマサカズ]
1927年、和歌山県に生まれる。京都大学文学部フランス文学専攻卒業。元、甲南女子大学教授。専門分野はフランス十九世紀文学と関連芸術。2002年没
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感想・レビュー
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おおた
19
書かれた時代から100年以上、今じゃ深海に潜ることは潜水艦はもちろん、専門の調査艇があったりするけれど、ここで語られる深海のおもしろさは事実に関わらずわくわくする。巨大イカとの闘いはダイオウイカの存在を想定していただろうし、当時成し遂げられていなかった南極点への挑戦に潜水艦を使うという発想もおもしろい。本書と共に最新の地学書を読むと100年ちょっとでどれだけ研究が進んだか人間の進歩に感嘆するしかない。去年出た『地球科学入門 地球の観察』と一緒に読むとヴェルヌはよくここまで知っていたなと逆に感心する。2021/04/18
はちこ
9
ほほう!ネモ艦長の事、半分どころか5分の1どころか1億分の1もわからなかった感覚!!そしてアロナックスさんのネモ艦長に対する思いも複雑で、こうこう、こうと語れない。色んな事が起こって情報量も多くてもう上巻での冒険も詳細には思い出せないけど、少年の心に戻ったような気持ちで読ませていただけました。またいつか読み返したいなと思います。2023/12/20
NORI
6
海の神秘に惹き込まれる中、大自然の猛威によってジワジワと酸素が無くなる恐怖!切羽詰まった感じがすごく伝わってきて怖かったです(^_^;)大ダコと闘いで仲間を1人失う悲しさも切なかったな~。2016/10/29
ちより
4
この年になって初めて読んだのだけどかなりおもしろかった!膨大な海洋生物の描写には少々げんなりもしたけれど、豊かな科学知識や潜水艦内での人間ドラマはとても興味深い。そして何よりも海底世界の冒険にわくわくさせられる。子供の頃に読みたかった気もするが、大人になった今の方が内容を理解できたと思うので逆によかったのかも。2010/05/02
真波
3
最後の章を読んで愕然とする。その後、どうなるかを知ってる自分と、えっ、ここで終わるの?という謎。なんと『神秘の島』という続編があり、その後のことが書かれているらしい。全く記憶にないが知ってるということは読んだのだろう(笑)2023/06/27