内容説明
そびえ立つ山と森、草原、そして清流。遠い昔、狼たちは各々の猟場で平和に暮らしていた。四本足の動物も翼を持つ鳥も、生命ある物すべてが平等に生きよという「ワカの掟」をまもって―。そこに突然、巨大な黒狼をリーダーとする集団が襲う。シリキたち狼兄姉の苦難にみちた闘いの旅を描く壮大な物語。小学校上級以上。
著者等紹介
レヒアイス,ケーテ[レヒアイス,ケーテ][Recheis,K¨athe]
オーストリアに生まれる。出版社勤務の後、移民相談の仕事に従事。1960年に北米インディアンの生活に触れ、翌年『小さなワシと銀の星』を出版。以後、作家の道を歩む。オーストリア児童文学賞を始め受賞も多い
松沢あさか[マツザワアサカ]
愛知県に生まれる。名古屋大学ドイツ文学専攻卒
ホレンダー,カレン[ホレンダー,カレン][Holl¨ander,Karen]
オーストリアに生まれる。パリのグラフィック学校で学んだ後、1989年にウィーン造形芸術アカデミーの修士課程修了。動物園の動物のスケッチがレヒアイスの目にとまり、さし絵画家としてスタートをきることになった
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サラサラココ
4
子どもが選んだ本。ワカの掟を信じない群れと、シリキたち狼をめぐる物語。2023/02/22
timeturner
3
自然と調和し、自然を愛して生きるものたちと、自然を征服し支配しようとするものたちの対立、人間世界の縮図のよう。翻訳も素晴らしく読み応えのある作品。2006/02/02
クロ
2
物語の世界へ引き込まれてしまいました。狼たちの生き生きとした描写に、そのうなる声が聞こえ、においが伝わってくるようです。シリキがショーガル・カンの寝場所へ行って、二頭が言葉を交わすところが印象的。上巻の最後、トカラの犠牲には思わず泣いてしまった。早く続きが読みたい。2015/06/19
りうかん
1
自然のルールに従って生きるすべての生き物たちの世界に現れた大きな狼、ショーガル・カンの群れ。圧倒的な力で他の狼の群れを飲み込み、自然のルール(必要な時に必要なだけのものを?)を否定して巨大な狼の国を作ろうと迫ります。それを嫌った主人公たちは彼方の国へ旅立つのですが。色々寓意的なイメージを含んだ良書です。管理社会への批判を含む一冊。2020/11/01
Pechi Minato
0
きっかけは「ひげよ、さらば!」 動物の生態というより生き様 長くかかる(途中)2021/09/15