出版社内容情報
フランクフルトで病気になったハイジは、アルムじいのいるアルプスにもどり、ふたたび輝かしい日々を送ります。(Cー6)
<読んであげるなら>---
<自分で読むなら>小学中学年から
内容説明
フランクフルトのクララの家でハイジはなに不自由なく恵まれた生活をおくります。しかし、自然からへだてられたハイジは病気になってしまい、アルムじいのいるアルプスにもどります。ふたたび山での輝かしい日々がはじまり、花々が咲き、もみの木の梢を風がわたる五月、なつかしいクララとクララのおばあさんがやってきます。小学校中級以上。
著者等紹介
シュピーリ,J.[シュピーリ,J.][Spyri,Johanna]
1827年、スイスのヒルツェルに生まれた。医師の父親と詩人の母親にのびのびと育てられたヨハンナ・シュピーリは、幼いころから両親の蔵書に親しみ、やがてチューリヒの作家や芸術家と接するようになり、高い教養を身につけていった。作家としての出発はおそかったが、『ハイジ』のほかに『グリトリの子どもたち』『ドリ』など多くの作品を書いた。1901年没
矢川澄子[ヤガワスミコ]
1930年、東京に生まれた。東京大学文学部美学美術史学科中退。以後、著述や翻訳に従事。2002年没
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
297
下巻は一貫してアルプスを舞台に展開する。美しくも清澄な光と空気がずっと物語世界を支配するのである。後半からの構想は、プロットを知らない読者にも(私もその一人なのだが)ほぼ想像がつくし、実際にそのように物語は展開してゆく。いわば予定調和を迎えるのだが、それでも多くの読者はハイジと喜びをともにすることになるだろう。ハイジの徹底したイノセンスの勝利である。そこには葛藤は全くない。それでも物語は成立している。こんな物語は嘘っぽくてだめだ、とはやっぱり思わない。それが過去何年にも渡ってこの作品を支えてきたのだろう。2024/02/03
ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中
142
この本の主人公はアルムの山だと思うのです。都会で身体が悪かったりこころに傷を負った人たちが、まばたきの度に色を変える様々な山の美しさに打たれてしみじみと力が湧いてくる。そういう傷ついたやさしい人たちがほんわりとしあわせになる度に、こちらまで力が湧いてくる。そんな本でした。2020/02/03
どら母 学校図書館を考える
17
ちゃんと読んだの、初めてかも。2018/04/21
Atsushi Kobayashi
15
時代を感じますが、ふ~んと関心することしきりです。2019/06/21
ロビン
14
下巻ではクララのお話がメインになるが、傍筋としてペーターの成長物語も描かれる。スイスの美しい自然を描写するシュピリの詩的な文章も見事で、自然の中の生活にあこがれを抱いてしまう。ハイジやクララを生き生きとさせるスイスの自然は、この作品のもう一人の主人公とさえ言えるであろう。クララのおばあさまやペーターのおばあ、またハイジのキリスト教信仰の描写も心にしみるものである。国や文化や時代は違っても人間の幸せとは何か、それは人間同士の思いやりに満ちた関係性の中にあると、根源的なことを思い起こさせてくれる作品であった。2019/06/06
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