出版社内容情報
漁師が舟をこいで川をさかのぼっていくと、みごとな桃の林が現れた……。古代の大詩人、陶淵明の『桃花源記』を原典として、中国を代表する絵本画家が描いた心安らぐ理想郷。
<読んであげるなら>5・6才から
<自分で読むなら>小学低学年から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
262
文は松居直。この人は福音館の創業者にして文筆家でもある。絵の蔡皋は中国湖南省の画家。陶淵明の『桃花源記』に基づく絵本。お話はほぼ原話のまま。したがって、設定年代も晋代。独特のタッチで描かれた絵が素晴らしい。とりわけ斜め上から俯瞰された絵に威力を発揮するようだ。桃花の異境は、ことさらに美化されることがなく、常に桃花こそ咲いているものの、むしろ普通の山里である。そして、まさにそこに画家の強い意図が反映されていると見るべきだろう。すなわち、桃源郷それ自体は特別な地なのではなく、いつでもどこにでも実現可能な地⇒2024/09/08
☆よいこ
87
絵本。29×31cm少し大きめで読み聞かせする時重い8分。中国の晋の時代、ある漁師が川を遡って山奥に入り込む。ほら穴を抜けていくと平和で豊かな国があった。そこは秦の始皇帝時代に戦争から逃れて隠れ住んだ人たちの村だった。漁師は数日滞在し、目印をつけて家に帰るが、再びその村をおとずれることはできなかった。▽故事成語「武陵桃源」のお話。中学生の故事成語の学習の時に紹介。武陵桃源が、四字熟語としてちょっとマイナーかな。2022/02/22
みーちゃん
58
昔の中国のお話。桃源郷とは、貧しい男の人がたどり着いた、幸せでいっぱいな世界。 幸せとはなんなのかを考えされられます。 絵がすごく美しくて、桃の花がとても綺麗です。自分も、桃源郷に行ってみたいと思いました。2020/07/21
ちえ
33
福音館書店50周年の2001年2月1日に発行されている。陶淵明の「桃花源記」を松居直/蔡皐で絵本化した日中合作絵本。香りがしてくるような桃の林。心から楽しそうに仕事をする人たち。本当の心の豊かさとは何なのかを思わされる。ネットで「桃花源記」の原文、書き下し文、現代語訳も読んだ。元の文の美しさ、これも香るようだ。2021/10/14
どあら
26
図書館で借りて読了。大きなサイズの本。2021/10/14