出版社内容情報
漁師が舟をこいで川をさかのぼっていくと、みごとな桃の林が現れた……。古代の大詩人、陶淵明の『桃花源記』を原典として、中国を代表する絵本画家が描いた心安らぐ理想郷。
<読んであげるなら>5・6才から
<自分で読むなら>小学低学年から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
268
文は松居直。この人は福音館の創業者にして文筆家でもある。絵の蔡皋は中国湖南省の画家。陶淵明の『桃花源記』に基づく絵本。お話はほぼ原話のまま。したがって、設定年代も晋代。独特のタッチで描かれた絵が素晴らしい。とりわけ斜め上から俯瞰された絵に威力を発揮するようだ。桃花の異境は、ことさらに美化されることがなく、常に桃花こそ咲いているものの、むしろ普通の山里である。そして、まさにそこに画家の強い意図が反映されていると見るべきだろう。すなわち、桃源郷それ自体は特別な地なのではなく、いつでもどこにでも実現可能な地⇒2024/09/08
☆よいこ
89
絵本。29×31cm少し大きめで読み聞かせする時重い8分。中国の晋の時代、ある漁師が川を遡って山奥に入り込む。ほら穴を抜けていくと平和で豊かな国があった。そこは秦の始皇帝時代に戦争から逃れて隠れ住んだ人たちの村だった。漁師は数日滞在し、目印をつけて家に帰るが、再びその村をおとずれることはできなかった。▽故事成語「武陵桃源」のお話。中学生の故事成語の学習の時に紹介。武陵桃源が、四字熟語としてちょっとマイナーかな。2022/02/22
みーちゃん
59
昔の中国のお話。桃源郷とは、貧しい男の人がたどり着いた、幸せでいっぱいな世界。 幸せとはなんなのかを考えされられます。 絵がすごく美しくて、桃の花がとても綺麗です。自分も、桃源郷に行ってみたいと思いました。2020/07/21
藤月はな(灯れ松明の火)
44
男が迷い込んだのはまるで夢のように平和で美しい里だった。男は里の長から里の成り立ちを聞いた後、それを秘密にするように約束される。だが、男の周囲は黙っちゃいなかった・・・。隠れ里と同じく、秘されるからこそ、成立し、欲を持っては決して辿り着けぬのが理想郷が理想郷たる所以なのかもしれない・・・。2025/07/28
Cinejazz
36
〝中国に、晋という国があった頃のお話し。…ある日、漁師が舟を漕いで川を遡っていくと、いままで見たこともないみごとな桃の林が、両岸にどこまでも続いていた。山の洞穴からは仄かな光が漏れている。 不思議に思った漁師は、ほら穴に入り奥へと進んでいくと、目の前がからりと開け、肥えた田んぼや池のまわりから、楽しそうな人々が現れてきた…。話を聞くと、昔、この人たちの先祖が戦争を避けるため、この土地へ逃れてきて暮らし始めてから、何百年も外の世界とは一切行き来しなかったというのだった…〟戦乱の世が続く隠れた理想郷の夢物語。2026/01/13




