出版社内容情報
絵本作家かこさとしの創作手法、秘話、秘伝の数々を、編集者の聞き書きにより一挙に公開。絵描き遊び、紙芝居、科学絵本の描き方、作り方を具体例で示した絵本講座。
<読んであげるなら>---
<自分で読むなら>中学生から
内容説明
だるまちゃんも、101ちゃんも海も、地球も…この男の人から生まれたんだ。この本は加古里子さんのインタビューをもとに構成しました。
目次
第1章 絵本の修業時代(童話劇から紙芝居へ;紙芝居から絵本へ ほか)
第2章 紙芝居の表現法(紙芝居の由来;紙芝居の技法 ほか)
第3章 科学絵本覚え書(原則を先に;発展の姿と全体像 ほか)
第4章 絵本の表現法(科学絵本を作る時;始まりと終わり・連続と飛躍 ほか)
第5章 科学絵本の時代(『かわ』=総合的に描く;『たいふう』=自分の立場を出す ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
67
1.紙芝居「わっしょいわっしょいぶんぶんぶん」。2.福音館絵本「だるまちゃんとてんぐちゃん」3.退職後、科学絵本。4.総合的なもの。 「だむのおじさんたち」。紙芝居の技法。科学絵本の覚え書き。絵本の表現、時間経過。取材の必要性。思想=1行への集約。 三つの誤り。1.軍人を目指し,結果として受験できず。2. 二百項目の目標をめざし、「これまで一度も遊んでもらった事ないもん」。3. 時間を空費。1と3は別にして2は家族の発言であれば深刻。2013/09/19
アナクマ
32
これはいいなぁ。子どもたちと取っ組み合った経験がベースにある、工学博士号と技術士を持つ作家の面目躍如。第三章、科学性をもった哲学に貫かれた作品論。◉「科学の美しさと素晴らしさと強さは、優れた文学や芸術がよびおこす感動と同質である」「大事な原則を先に。発展の動的な姿と全体像も提示」「科学絵本は(教科書と違い)読者の自発行動の中で熟成するのを待つ」など示唆に富む。◉特に輝いた言葉は「作家ーーなんてすばらしい名称でしょう!」モノを創る人への賛歌と憧憬があり、肩書きを取っ払った人間かこさとしの根っこを見た思い。2020/07/24
seraphim
19
数々の優れた作品を産み続けている、絵本作家、加古里子さんの絵本に対する考え方や想いが良くわかる。絵本作家になろうとしている人や、図書館職員など、絵本に関わる人たちの参考書としても、素晴らしい。特に、良い科学絵本とはどういうものなのか、ということを教えてもらった。かこさんの絵本、未読のものがたくさんある。もっと読んでみたくなった。2015/05/08
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
18
加古さんの創作活動を原点から追って紹介している本。紙芝居の歴史などにも触れていて勉強になります。『どろぼうがっこう』 https://bookmeter.com/books/514628 の内容は下品とみられる大人もいるから、ふくろうが語るように手法を変えたとか、絵本と紙芝居の手法の違い、絵本には始まりと終わり、連続と飛躍があるなど。加古里子というペンネームの由来など読み応えばつぐんです。2022/01/07
うー(今年も遅くなります)
13
加古氏の描く子どもは踊っているようにみえるが…と問われ『子どもは成長するために生まれてきた。生きる力が貪欲になるし、生きているから動き回り走り回る。そして笑う。これから伸びていく者の力の表れとしてどんなにさびしい静かな子にも笑いが出る。 ~ 笑えるというのは生きる力があるということ。笑っている子は乗りこえようとする力を持っている。そういうことを期待しながら絵の中に子どもの姿を描くものだから、そして楽しさとか喜びを画面にメッセージとして送りたいと思うので笑ったり踊っちゃう』2020/07/26