出版社内容情報
冬の夜、貧しいおじいさんの家にやってきたやせ細った黒いねこ。おじいさんは自分が食べるはずの食べ物を全て与えてしまいます。翌朝、ねこが去った後におこった奇跡とは……。
<読んであげるなら>5・6才から
<自分で読むなら>小学低学年から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
124
分かち合い、助け合い、励ましあう。お爺さんは”温もり”、あるいは”つながり”を得る。お金では変えない何か・・・。その大切さを説いている気がする。次男と読んでいたが、大人への戒めにも感じる。絵はとても温かい。特にお爺さんの猫に微笑んでいる表情。愛情一杯。クリスマスの季節にぴったりだなぁ。予想以上に良かった・・・。 :)2012/12/06
p.ntsk
98
黒ねこの恩返し的なお話。作者はイギリスの方で作画は日本の方です。お話もよかったですが優しく温もりを感じる絵がまた素敵でした。特に様子が変わっていく黒ねこの描写は素晴らしかったです。 2019/03/14
ダリヤ
85
みずしらずのどうぶつ、またはひとにたいして、かぎられたたべものやまきをわけることがこのおじいさんのようにわたしにはできるだろうか。きっとおじいさんのぶんまでうばっていることを黒ねこはわかっているのに、一口も残さず食べてしまう姿をかなしくおもった。けれど、あざやかにやさしくおわるものがたりに、たすけあったり、ゆずりあったり、わけあったり、それらのこういのさきにあるあたたかさをあらためてまなんだきがする。2015/03/01
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
83
「年をとって、体が弱ってきたうえに、金があまりないと人生はつらいものだ」。子どもの絵本には切なすぎるモノローグ。貧しいおじいさんのたった一つのささやかな贅沢。土曜日の晩だけ羊の肉を食べ、ミルクにひたしたパンを食べる。嬉しそうに支度をしていると、外で小さな鳴き声が。ドアを開けると、雨に濡れた黒ねこが入ってきました。女王さまのように振る舞う〈おきゃくさま〉のために、おじいさんはできる限りのおもてなしをします……。あたたかくてきれいな絵が印象的。なんとなくいせひでこさんを思い出しました。1999年10月初版。2015/07/25
mii22.
67
【娘の本棚】いわゆる○○の恩返し的なお話だが、題名が恩返しではなく「おきゃくさま」となっているのがよい。深く考えずに、ふと心と体をあたためてくれるココアが飲みたくなるように、ほっこりしたいときに読むと気持ちよくなる。ちょっと悲しいことや辛いことやまた嬉しいことがあったときに読むのもよい。その時感じる気持ちは違っていてもそれはそれで味わい深い。うちにもおきゃくさまでなく、家族として黒猫がいてくれる。いつも癒してくれてありがとう。いつもそばにいてくれてありがとう。2019/10/22