出版社内容情報
いろんな葉っぱにできるイボイボ。一つ一つに昆虫が住んでいます。1年かけて丹念に観察してわかった「虫こぶ昆虫」の意外な一生。
<読んであげるなら>---
<自分で読むなら>小学中学年から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
遠い日
6
松岡達英さんの絵を求めて。葉っぱについた虫こぶは、見るともなしに見ているのだが、その中にどんな虫が、あるいはどんな虫の卵や幼虫がいるのかを突き詰めて考えたことがなかった。実に多様な種類の虫たちが虫こぶを作ると知って、びっくり。そして、湯川さんの精緻な研究の成果がすばらしい。正確なデータを取るための努力とこだわり。観察から得られる驚きと喜びをビビッドに描いているところに惹かれた。2017/05/05
Erica
5
虫ってもう自由に増えまくって短い(対人間比)生涯を謳歌しているもんだと勝手に思っていたら、えええ、寿命のまっとうまで辿り着くには、そんなに数が減っちゃうんですね…まさに生存競争。p.35のグラフが分かりやすい。しかし競争というか、気候や植物の枯れとかの運、他の虫の生態などに影響されたり影響したりで、なんだか全体が一つのシステムのよう。確かにひみつのかくれが?なんだけどわりと他の虫にバレてますやん。そしてまだまだ分からない点が沢山あり、こういった研究家の先生たちが地道に調査研究しているのだな。2022/05/01
サト
4
タマバエは葉に卵を産みつけ、こぶを作ります。虫こぶです。2792個の虫こぶが、時には葉ごと枯れたり、台風で葉が落ちたり、自然の荒波に揉まれ羽化しますが、無事に羽化したのは79匹。虫こぶの中は狙われにくく、気温の影響もなく、食べ物を探す心配もない安全な場所です。ところが一部のハチは、虫こぶの中に寄生します。中から乗っ取るわけです。タマバエが卵を産みつけすぎると、葉が重く、折れ曲がり、蜘蛛が好む環境になり、羽化直後に捕食されます。どうあがいても自然のサイクルに組み込まれるのに畏怖を感じます2025/12/05




