出版社内容情報
集団の場で子ども達は、多くの絵本と出会います。絵本を見る目が豊かになるためにも、まず下地となる遊びの世界を耕してやりたい?保育者による“保育園発”の、臨場感溢れる絵本論。
<読んであげるなら>---
<自分で読むなら>---
内容説明
赤ちゃんは、どんなふうに絵本に出会い、どうやって物語の世界に入っていくのだろう。―著者は長年子どもたちに絵本を読みつづけてきた経験から、幼い子と絵本の親密な、魔法の関係を語り、絵本を読んでもらう歓びこそ、子どもたちの成長を促していく力であると述べます。これは絵本論、子ども論であると同時に、すぐれた保育書でもあります。
目次
第1章 はじめての絵本(まんまの本『いちご』『くだもの』;いない、いない、ばあ『いないいないばあ』『のせてのせて』;こんどはどこ『きんぎょがにげた』 ほか)
第2章 絵本はともだち(やさしいお父さん『だるまちゃんとてんぐちゃん』;考えるこねこ『こねこのぴっち』;子どもたちへの応援歌『三びきのやぎのがらがらどん』 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
anne@灯れ松明の火
21
ブロ友さんご紹介で予約。保育士として、子どもたちと過ごす生活の中、さまざまな絵本を共に読んだことを記録したもの。その時々の子どもたちの反応、行動、気持ちを丁寧に掬い上げ、子どもの思い、絵本の力について語っている。2歳とかの子が、こんなことを言うのかなと驚くこともしばしば。先生の持って行き方、受け止め方も、もちろんうまい。こういう先生に出逢えた子たちは幸せだなあ。読んだことのない本、読み直したい本「いちご」「こけこっこう!」「おだんごぱん」「イエペはぼうしがだいすき」「なかまはずれ」「きつねのホイティ」2024/07/14
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
15
中村さんの保育士としてのお仕事のから、絵本に関わるエピソードや想いを、1冊1冊書かれています。自身でも読み聞かせはしていますが、聞き手である子どもたちに気づかされることはとても多く、その度に再読を繰り返しています。実例が書かれていることが、とても共感できます。2021/06/25
まーたろ
2
読後すぐの感想は「絵本を読んで子供たちがこんなにいきいきと反応するなんてフィクションに決まってる!」という負け惜しみだったが、思い返してみると我が家でも同じようなやり取りがあった。著者が子供たちの何気ない反応を丁寧に拾い、数年にわたってファイリングしたことで見えてくる、子供の成長による反応の変化や絵本と子供の成長の関係。特定多数の子供たちと長年付き合う保育士さんならではの著作。『たまごのあかちゃん』を読んだばかりだったので、こんな風にじっくり楽しむ絵本だったかーと丁寧さに欠ける我が家の読み聞かせを反省。2016/02/11
あひる
2
作者が保育士だったときに実践して見た本の紹介がされています。子どもたちの細かい反応などもかいてあります。2013/01/03
のん@絵本童話専門
1
作者の中村さんが保育士として長年勤務する傍らで読んできた絵本を一冊一冊紹介しています。その絵本にまつわる子どもとのエピソード、読み方の工夫、絵本に隠された秘密やメッセージ、思いが綴られています。一冊一冊、該当本を手元に置いて確認しながら読みました。保育での経験を通して、絵本と子どもとの関わり方楽しみ方について、ヒントをいただいた気がします。出版や研究畑でなく、実際読んだ方面からの絵本観がちょっと違う切り口で面白いし、また大事なことは出版研究畑の方と意見が一致するというのもまた興味深いことです!2021/03/14