出版社内容情報
ずっと昔から北海道で暮らしていたアイヌ。自分たちの言葉で話し、自分たちの神さまを信じてきたアイヌの人たちの歴史や生活を、2編の楽しい昔話とともにおとどけします。
<読んであげるなら>---
<自分で読むなら>小学中学年から
内容説明
この本は、北海道の先住民族アイヌの文化のすぐれた伝承者である萱野茂さんが、子ども時代の思い出とそのころのアイヌの生活や考え方をまとめたものです。小学中級むき。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
91
スズメの恩返し(カムイユカラと昔話) と 二つ頭のクマ(炎の馬 アイヌ民話集)を再話している。 沙流川のうた をカムイユーカラより採歌している。 アイヌの紹介によい。2013/05/27
☆よいこ
76
絵本。「アイヌネノアンアイヌ エネップネナ ー人間らしい人間、人らしい人になるんだよ」おこないのいいアイヌだけをアイヌとよび、病気でもないのに働きもしないでぶらぶらしているものはウェンペ(悪い者)という。昔話がふたつ[スズメの恩返し]スズメは神のひとり[二つ頭のクマ]人食いクマを退治する少年の話▽アイヌの家、食べ物、生活、地名などを紹介。和人が北海道にはいってきて、アイヌを奴隷として使ったり、勝手に定めた法律で縛りつけた歴史についても書かれる▽アイヌの昔話は主語が「私」なのが特徴。興味深い2021/10/14
ぶち
67
この絵本は、アイヌ文化の伝承者である萱野茂さんが子供時代の思い出を辿りながらアイヌ民族やアイヌ文化についてまとめた絵本です。アイヌ民族の考え方や生活などはもちろん、和人によるアイヌ侵略の歴史についても描かれています。絵本の中に、ウェペケレ(昔話)が二つ収められています。アイヌ民族の考え方を知る上で、昔話や民話はとても参考になると思います。 萱野さんのお母さんが繰り返し言っていた言葉がタイトルになりました。「アイヌ ネノアン アイヌ エネップナ(人間らしい人間、人らしい人になるんだよ)」と。2018/11/25
yomineko@ヴィタリにゃん
64
題名のアイヌ語は「人間らしい人間になるんだよ!」という意味。アイヌ人達が鮭漁を勝手に禁止した和人😡あろうことか警察に連れて行かれてしまった父。和人の侵略によって生活の糧どころか命まで奪われて行く彼ら。北海道はアイヌ語でアイヌモシリ。アイヌ=人間、モ=静か、シリ=大地。文字通り北の聖地で静かに暮らしていた彼ら。心から尊敬できる民族です✨✨✨2024/06/11
たまきら
40
読み友さんの感想を読んで。幅広い分野にわたってアイヌの社会や歴史、暮らしを知ることができる一冊です。昔話や織物、刺繍といった好きな分野は知っていましたが、家の作り方や地名については無知なので、紹介してもらえて面白かったです。また、和人侵略後に主食である鮭を自由に採れなくなったエピソードには悲しみと怒りを覚えました。普段食べていたものを禁止する理不尽には、偏見や侮蔑、驕りが臭います。西洋圏が宗教や風習、食文化を押し付けた姿勢と何ら変わりがありません。文化の違いに敬意が持てるヒトでいたい、と再確認です。2024/07/21